出典:©ProjectGRANBELM
主人公は小日向満月(こひなたまんげつ)。そしていつも彼女に寄り添うのが転校生の新月でした。新月は元々フーゴ家の養女でした。絶大な魔力を持ちながら不幸な人生を控えめに生きてきた少女です。今回はフーゴ家の血統を継ぐアンナを中心に回想される物語です。
アンナの暴走
元々新月とアンナは仲良しでした。アンナは魔術師の血筋を受け継ぐものとして、数々の魔法の実現をしてきたはずでした。しかし、それは彼女の無能に同情した、新月の魔術でなされた魔法でした。
そうとも知らずアンナは成長する度に魔法使いとして自分がレベルアップしていると確信していたのです。
そういったことが判明してアンナは暴走を始めます。そして、フーゴ家の由緒ある秘宝を持ち出して魔術を完成させよう画策します。
フーゴ家の謎
世の中には隠れた魔術師の血統があるというのはどれほど信憑性のある話でしょうか?第一次世界大戦当時のヨーロッパなどを見返すと神がかった種族がいるかのように錯覚することもあるでしょう。
今回のメインキャラクター・アンナもそんな強い血統を持った種族です。しかし、実力が無い、新月という”使い”がいなければただの人も同然、ただグランベルム という戦争に参加する権利を持っているだけ、切ない……。
原因は世界のバランスとタイミングなのだろうか、彼女に主役の座を明け渡す運命は存在していません。
グランベルム の本質とは?
水晶という少女とグランベルム には何らかの関係がありそうです。
物語の中では魔女という存在と魔法少女という存在がはっきりと区別されていて、魔女により世界が混沌に飲まれるのを防ぐためにグランベルム は開催され、生き残った一人がプリンセプスになり魔女の脅威を防ぎ世界を守護するといった未来観です。
まだまだ深く物語のファンタジー性を掘り下げていきそうなこの物語です。これからも注目して観ていただきたいと思います。
思春期×魔術
アンナの切ない回想シーンで綴られた6話の物語は思春期の女の子の抱えるジレンマを痛烈に訴えかけているようにも見えます。
新月にも謎があるようで、新月の自覚に基づいた謎と満月の少なくても記憶には残らない謎がマギアコナトスという世界中の魔力を集めた巨大な魔力の源により繋がっています。
伝説の魔術師ザ・ウィッチも登場します。世界で唯一の魔術師と世界で唯一のプリンセプスの関係とは?
現代の青春とネット、SNSに繋がる少女達の抱える漠然とした悩みを抽象的に表現し直しているように見えます。それ故に若い世代の反響が強いのでしょう。
文章:Shinichiro.S
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