アニメコラム

『地獄楽』第八話『弟子と師』を観たよ!

出典:©賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA

「自分の作品がアニメになったはいいものの、いざ映画館で上映されたら、序盤で観客がどんどん帰っていく」という悪夢を見ました(本当)(挨拶)。

と、いうわけで、フジカワです。

毎晩飲まねばならない睡眠薬一式が強い(さりとて、飲まないと一睡もできない)ので、遅くとも22時にはベッドに潜り込まねばならないというあたりに理不尽を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回の記事は、「『地獄楽』第八話を観たんだが!?」とかいった話です。

あらすじ

「クズ」と呼ばれていた少年時代、救い、導いてくれた人がいた。

その人は、自分に侍の誇りを教えてくれた。

そして、「守るべき者」のために、自分……典坐は刀を振るう。

死亡フラグ、バリ立ち!

さて。今話は、主役の画眉丸、及び佐切達は、一切出てきません。

メインは、山田朝ェ門典坐とヌルガイコンビ、そして、典坐の師である、山田朝ェ門士遠(しおん)。

画眉丸達が風呂入ってまったり(?)している間の出来事かと思われます。

今話、まずは典坐の生い立ちから始まります。

貧民街に生まれ育ち、生きるためなら殺人以外のなんでもやった、少年時代の典坐。

自由ではあったものの、周囲にはクズだのゴクツブシだの、散々に言われて育ちます。

そんな中、士遠に出会い、山田家に入門することになるのですが、なんせ昔の典坐は、性根がねじくれているがゆえに、人助けの意味さえ分からない。

とうとう、辞めることを決めるのですが、士遠は「私から一本取ったら、自由にしろ」と言われます。

そんな事は知ったこっちゃない、と、典坐少年は脱走することを企てるのですが、「偶然」門の前で出くわした衛善から、士遠からまだ一本を取っていないことを指摘され、同時に、士遠が背負っているものを聞きます。

士遠には亡き弟子がおり、典坐同様、素行が悪かったとのこと。

弟子は逃げだし、士遠もそれを止めなかった(止めるところまで気が回らなかった)のですが、その弟子は、後に犯罪に手を染めた結果、死罪人となり、当の士遠に首を斬られます。

そういった経験から、士遠は人助けに腐心するようになったとのこと。

士遠は、典坐少年に「つぼみ=可能性」を見いだし、育てようとします。

また同時に、「守るべきもののために、剣を振るうこと」も説きます。

感銘を受け、典坐少年は、気持ちを入れ替え、士遠を師と仰ぐのでした。

……これだけ丁寧に生い立ち、バックグラウンドが語られりゃ、死亡フラグですよね。

あんまりだ……

シーンは戻って、神仙郷。

外へ向かう潮の流れを探すべく、浜辺を歩き続ける典坐とヌルガイですが、そこへ、天仙が現れます。

当然の如く戦闘になるわけですが、なんせ相手は天仙、べらぼうに強い。

二人のピンチを救ったのは、士遠。

出典:©賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA

窮地を逃れたのはいいとして、ヌルガイをかばう典坐に説教したりもするんですが、結局は「保留」と言いつつ折れるあたり、優しいです。

士遠は「潮の流れが違う場所がある」と典坐達に伝え、三人でそこへ向かおうとするのですが、天仙の脅威は去っていない。

立ち向かう典坐ですが……斬っても斬っても、相手は再生する。

典坐は致命傷を負わされ、もはやこれまで、といったところで、士遠がヌルガイを連れて、離脱します。

念の入った死亡フラグ!

何がかって、典坐がもういよいよダメだってところで、「もしもの未来」のカットが入るんですよね。

例えば、山田朝ェ門として、弟子を指導する姿であったり。

またあるいは、ヌルガイと結婚式を挙げる姿であったり。

全て、「こうなりたかったなあ」という儚い願望であり、それは決して叶うことなく、とうとう、典坐は息絶えてしまいます。

彼を見捨ててしまったことに、大泣きするヌルガイでしたが、士遠から「意志を汲め」という旨のことを言われ……るものの、「婿にしたい」とまで気に入っていた男を見殺しにすれば、そりゃあヌルガイとしても、やりきれないでしょう。

さらには、エンディングの歌のバックでCパートが流れ、そこで、典坐少年が士遠から一本を取った後、修行を続けたい旨を訴えるシーンが入ります。

しかし、全ては終わった後。切なさが募ります。

典坐、いい奴だったのに……(遠い目)

まとめ

ってことで、まとめます。

士遠が説いた「守るべき者」。それは、典坐にとっては、恐らく、ヌルガイが「そう」だったのでしょう。明示はされてませんけどね。

典坐本人は、もしかしたら、悔いはなかったのかも知れません。

ただ、あまりに残念。僕的にも、幸せになって欲しいキャラだっただけに、割とあっさり退場となったのは、もったいないです。

もっとも、冷徹な見方をすれば、メインはあくまで画眉丸と佐切ですから、そこを立てるためには、「それ以外をそぎ落とす」必要があるのかも?

いやらしい言い方ですが、丸々一話、さらにはCパートまで使って、華々しく散れたわけですから、典坐はいい待遇だったのかも知れません。

しかし、ワンクール全十三話の後半で、この展開です。後五話で、仮に第二クールへ続くとしても、綺麗に区切りが付けられるのか?

 

ハラハラしながら、また次回です。

 

んじゃまた。

 

文章:フジカワ

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