フジテレビ系列で約2年半に及んで放送された『るろうに剣心』は日本の少年少女のスピリッツを絶妙に刺激しました。アニメ映画化、実写化、OVA版の発売と、様々な手法で紹介されたこの作品ですが、今回は映画版『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-維新志士への鎮魂歌』について紹介したいと思います。
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-維新志士への鎮魂歌』あらすじ
幕末の薩長同盟の頃の剣心の別名は緋村抜刀斎。メインの舞台は明治11年頃のことです。横浜の英国公館前で酔った水兵が暴れているのを見た剣心は会津出身の高槻朱鷺という女性を助けます。そしてその当時、お互いに身上を知ることになった時雨滝魅という剣客とはのちに対立することになります。
元々時雨の世話になっていた朱鷺とはその後長い付き合いになり、映画ではヒロインのような形で描かれています。反政府軍を率いる時雨と朱鷺の兄・厳達、そして逆刃刀の剣心の入り乱れる明治時代の侍たちの物語です。
『回想の中で明らかになる真実』
「るろうに剣心」こと緋村抜刀斎は、幕末の雄です。10代の頃から抜刀斎を名乗っており本編では28歳の設定になっています。であるが故に明治11年の頃には様々なエピソードが気を熟して語られており、回想の中で真実が明らかになることも多いのです。
抜刀斎のモデルになったのは『幕末の剣客河上彦斎』です。尊王攘夷派の剣豪で幕末の四大人斬りとして知られています。天誅と称して暗殺を行うことで有名でした。一方抜刀斎は幕末こそ人斬りとして名を馳せましたが、明治に入る頃には逆刃刀の使い手として不殺(ころさず)や流浪人(るろうに)として知られることとなります。
不殺の精神はどんなに相手が強くても同じであり。『日本最後の剣客』という表し方がふさわしいでしょう。
文章:Shinichiro.S