出典:©大木戸いずみ・早瀬ジュン/KADOKAWA/「歴史に残る悪女になるぞ」製作委員会
ある日突然気づいた。
今いる世界は、生前プレイしていた乙女ゲームの世界だということに。
しかもイチ推しキャラ・悪役令嬢ウィリアムズ・アリシアに転生していることに。
転生アリシアは悪役令嬢により磨きをかけるため、剣術の修行、学業にと精を出す。
だが、どうしてこうなった?
本来の主人公でライバルであるはずの聖女キャザー・リズが、悪役以上の天然どクズキャラに変貌していた。
悪役を目指してるけども、これは望む形ではない?
盗賊に攫われた
アリシアたちが盗賊に襲われた。
気を失っている間に幼き従者ジルは、リンチを受け、足を折られていた。
傷ついたジルを連れてアジトから逃げ出そうとしたアリシアに気づき、刃物で斬りかかってきた盗賊を撃退。
そこへ現れた聖女リズ。
「わたしにはあなたが、男の人を襲っているようにしか見えません!」
「襲われたのはこっちだ」と訴えても「話せばわかり合える」などと宣い、リズの取り巻きも彼女の言葉にただうなずくばかりで、盗賊を庇ってアリシアを悪者に仕立てようとする。
挙句には、盗賊を仲間と呼び、アリシアを刃物で刺そうとする始末。話し合いを主張するリズだが、彼女自身が、もう話になりません。
差別を失くすという名目で
犯罪者やその子孫を隔離した村を開放するべきだと主張するリズ。
それをやると彼らは逆に住処を失うことになり、街へ流れたところで虐待を受けるにも関わらず。
無自覚に発動する誘惑魔法で、リズの言葉に取り巻きはひたすら頷く。
その様子を見たリズも自分の正しさを再認識する。
例えそれが、表向きだけ立派で中身がカラッポ主張だったとしても。
こうしてリズはいつも暴走する。
光を失った男に、魔法移植で片目を譲った

出典:©大木戸いずみ・早瀬ジュン/KADOKAWA/「歴史に残る悪女になるぞ」製作委員会
隻眼をなったアリシアを見ても、事情を一切訊かないリズ。
その向こうにある、自分にとって都合の悪い現実を一切見ない。
目指せ国外追放。
ラヴァール国にしか生息しない狼が現れたと聞き、そこに何か異変があることを感じ取ったアリシア。
王子の計らいで国外追放という形で、現地に向かう。
だがこれは、リズの傍若ぶりに嫌気がさして、尻尾を捲いて逃げたという見方もできよう。
ゲームシナリオ上、世界を救うことが決定している聖女なのだから、誰も逆らわない。
こんなのが聖女では、身を守れません。
文章:ヒトツメロバ