出典:©賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA
これを書いている今は火曜日なんですけど、既になんか、心身が悲鳴を上げている現実(挨拶)。
と、いうわけで、フジカワです。「ねーむーいーぞー!!」と、(『ミスター味っ子』の)味皇様ばりに巨大化して大阪城を破壊したい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の記事は、「『地獄楽』第五話を観たよ!」とかいった話です。
あらすじ
毒にやられた後、復帰した佐切は、兄弟子の源嗣から、「女は帰れ」と言われる。
その頃、山田朝ェ門典坐(てんざ)は、死罪人のヌルガイと共に、島を脱出しようとするが……?
今話のキーワードは?
ズバリ「女」です。
冒頭、佐切が、自分の父から、大変な失望の視線を向けられるシーンから始まります。
佐切は女であるがゆえに、「侍」として見られていない。
「女は女らしく、世継ぎと結婚して、子を作る」のが役目、という価値観を押しつけられます。
神仙郷においても、早々に毒にやられたことが、イコール足手まといだと解釈されたのか、「帰って女らしくしてろ」と、兄弟子の源嗣から、ほぼ強制的に言われます。
ここで素直に兄弟子に従っていては、話になりません。
佐切は、全力で抗います。「女でありながら、侍であろう」とします。
この辺、「現代の」価値観からすれば「古い」のですが、そりゃ、江戸末期が舞台ですから。
典坐! いい奴だ!
佐切達がわちゃわちゃ(?)している一方で、もう一つのストーリーが展開します。
それは、山田朝ェ門典坐と、死罪人のヌルガイのコンビ。
この典坐という奴、頭はあんまりよくないようですが、ウオッス系の、熱い男です。
なにせヌルガイ自身、「幕府に帰属しない民族だから」というだけの理由で、死罪となった身。要は具体的な罪がない。
典坐は、「罪のない奴が殺されるのは、納得できない」という理由で、ヌルガイを助けようとします。いい奴だ。
二人は舟に乗り、島を脱出しようとするのですが、潮の流れが「外」へは向いておらず、脱出は叶いません。
ここでも「女」!
で、ですね。ピンチを切り抜け、結局は再度島へ戻る、典坐とヌルガイなのですが、意外な事実が。
返り血を浜で洗い流すのですが、ヌルガイの身体の線が細い。女みたいに。
「女だぞ」と、開けっぴろげに明かすヌルガイ。裸身を見て、てきめんに狼狽える典坐。ウブだ、と言うより、やっぱりいい奴だ。
今話のキーワード、繰り返すように、「女」ですね。
画眉丸も、いい味を
出してました。迷っている佐切に、「佐切の強さ」を説きます。
この際注目したいのは、画眉丸の口元の描き方。
ちょっと「ω」っぽい。要はフランク寄りの笑顔。
……血も涙もない「がらんの画眉丸」という二つ名には、似つかわしくない顔です。
この辺、画眉丸自身が、妻との出会いでかなり「変化」した証でしょうね。
前後しますが、神仙郷に上陸当初、クリーチャーに襲われた際、佐切を守っていますし、杠たちに助けられた際、きちんと「ありがとう」とも言っています。
カタブツって、めんどくせえですよね。
さて、四角四面な源嗣に対し、佐切は自らの意志を通そうとします。
ところが、何を訴えようが、源嗣は鼻で笑う。
それもそうだとは思います。人一人の価値観を動かすのは、並大抵のことではありません。
まして、厳格な男ならば、なおさらです。
意見は平行線をたどり、もうこうなったら、佐切が実力行使に出るか!? と思われたところ!
死罪人の一人である、巨人、陸郎太(ろくろうた)が、源嗣を襲います。
つうか、腕の一振りで、源嗣の胴体を半分以上抉る。源嗣が生きてりゃ奇跡レベル。
その衝撃の瞬間で、次話へ続きます。気になる!!
まとめ
ってことで、まとめます。
繰り返しますように、今話は「女」がキーワードでした。
「あくまで、江戸末期という時代においては」、「女だ」と言うだけで、様々な理不尽なる制約を課される、あるいは偏見を受ける様が描かれます。
しかし、自らの意志を貫かんとする女性が美しいのは、いつの世も同じ。
佐切の「強さ」が、どこまで通用するのか?
この辺も、今後の見所ではあるでしょう。
んじゃまた。
文章:フジカワ