出典:© 阿久井真/小学館/NHK・NEP・日本アニメーション
あらすじ
最悪な形で出会った、青野一と秋音律子。
ヴァイオリン初心者の律子は、たった1人での練習を熱心に続けていた。
武田先生に頼まれたヴァイオリンの指導は断ったものの、不意に耳に飛び込んでくる律子のつたない、しかしまっすぐな音は青野の心をざわつかせる。
そして起こった思わぬ騒動に青野は…。
秋音律子
保健室でヴァイオリンを弾く秋音に、ヴァイオリンを教えろと教師に言われる青野。
2人はお互いに忌み嫌うほどに相手を否定していた。
ある日の帰り道。唐突に後ろから襟元を引っ張られる青野。
「やっと見つけた!」
「ヴァイオリンの弦、切れちゃったの。アンタ直してよ」
その場で口論となった青野と秋音だったが、周囲の人の眼もあって青野はしぶしぶ了承する。
自宅に秋音を連れて帰った青野を見た母親は、両手で口を押さえながら“赤飯炊かなきゃ”と口にする。
母親の言葉を否定しながら青野は、ある部屋へと秋音を招き入れるのだった…。
踏み入られたくない領域
青野が本当に凄いヴァイオリニストだと知った秋音は、青野の音を聴きたいと口にする。
しかし、青野はそれを全否定する。
「弾かない。ヴァイオリンはやめたんだ」
青野がヴァイオリンを辞めた理由を知りたい、音も聴きたい秋音は一歩も引くことなく、青野をグイグイ攻める。
「あのさ、人には踏み入って欲しくない場所もあるんだよ」
「お前…そんなことしてると友達なくすよ」
青野の言葉に一瞬、表情が暗くなる秋音だったが直ぐに気を取り直して、青野が弾かないなら私が弾くと口にする。
防音室で音を気にせずに弾いてみたかったという秋音は、演奏を始める。
青野は秋音の音を聴きながら、ある“想い”を思い出していた…。
全体的な感想
秋音のグイグイ来る感じに、青野は圧倒されていましたね!
好きな事に夢中になれる秋音は、素敵な女性だと思いました。
秋音の明るさ、言葉、そして音によって青野の止まっていた時間が再び動き始めました。
凍った心を溶かしてくれるのは…やはり大好きなヴァイオリン。
辛い出来事で、大好きな物に蓋をしていた青野でしたが…解き放たれましたね!
青野の言葉によって秋音の“音”が良くなったのも良かったです。
そして、青野の演奏は感動的でした。この2人でどんどん音を紡いで欲しいなと思いました…!
文章:クラッシャー佐藤