出典:©創通・サンライズ
今までの人生で何回この作品を見たことか…
「機動戦士ガンダムF91」は1991年に公開されたアニメ映画です。
筆者が幼い頃、よく兄弟がこの作品をビデオで見ており、自分も横で一緒に見ていました。
どういう内容なのか幼い自分にはよく分からず、メインキャラクターの見た目と名前だけは覚えていました。
10代後半ぐらいのときに「今の自分ならちゃんと内容が分かるかも」と思い、最初から最後まで視聴しました。
それでも「よく分からない…」といった印象でした。
そして先日、サブスクを眺めていたらF91を見つけたので、「今なら理解できるかな?」と思い視聴しました。
シーブックについて
主人公のシーブック・アノーはとにかく善人でパイロットとしても優秀、といった勝手なイメージを抱いていました。
ですが物語冒頭ではミスコンに出場するセシリーを賭けの対象にしており、「意外とヤンチャなところもあるんだね」と思いました。
突然戦いに巻き込まれ、友人も亡くなり、セシリーとも離れ離れになり、遂にはガンダムF91のパイロットとして戦うことになります。
ほとんど素人のシーブックが戦場でちゃんと戦えていたのは凄い、と感じました。
歴代のガンダムの主人公は途中で逃げ出したり、心が壊れてしまったり、精神的にとても追い詰められているキャラクターが多い気がします。
ですがシーブックは映画の最後でもちゃんとセシリーを迎えに行けるほどしっかりしており、安定感・安心感のあるキャラクターだなと改めて思いました。
セシリーについて
昔から「このヒロイン(セシリー)は綺麗だな」と思っていました。筆者が大人になった今見ても綺麗な女性キャラだと思います。
よく見るとセシリーの髪の毛の線画は他のキャラクターと違って髪色に近い色で描かれているので、より綺麗に見えますね。
セシリーの実の母親、ナディアが今で言う毒親っぽいところがあり、セシリーがひねくれることなく真っ直ぐに育ってよかった…とホッとしました。
髪を切るシーンはいつ見ても印象的で好きなシーンです。ショートヘアになったセシリーも勇ましい感じがして好きですが、個人的には断髪途中のボブヘアみたいな感じも良いなと思います。
鉄仮面について
今回視聴した際、特に印象深かったのは鉄仮面(カロッゾ・ロナ)でした。
彼はセシリーの実の父親ですが、妻であるナディアに逃げられ、セシリーも鉄仮面を慕っている様子はありません。
昔視聴したときは「この仮面被ってる人が敵キャラか」ぐらいの印象でしたが、大人になった今見ると「彼はいろんな苦悩を抱えた末にこんな風になってしまったんだな…」と哀愁を感じました。
ある意味、一番人間らしいキャラクターなのでは?とも思えました。
その他、視聴して感じたこと
ガンダムシリーズ、というか富野由悠季監督の作品に登場する主人公の親は毒親率が高い気がします。
ですがシーブックの母親も仕事を優先するような部分はあるものの、セシリーを探そうとするシーブックにアドバイスをしたり、比較的まともな母親だと感じました。
シーブックの妹、リィズも年の割にしっかりしていて良いですね。
映画は2時間ですが、濃厚なストーリーを凝縮して詰め込んでおり、「せめて3部作ぐらいにしてストーリーの細部を描いてほしかった」と思いました。
書ききれないぐらいの情報と魅力が詰まっている作品なので、是非皆様のその目で楽しんでほしい作品です。
文章:大葉勺々