出典:©雨隠ギド・講談社/おとなりに銀河製作委員会
締め切りに追われていたマンガ家、久我 一郎(くが いちろう)の元に緊急アシスタントとして五色 しおり(ごしき しおり)が派遣されてきた。
ところが、彼女はアシスタント経験が皆無だと言う。
一郎の心配をよそにハイスピード、ハイクオリティに仕事をこなし、たちまち窮地を救ってみせた。
実は、彼女は宇宙人!
流れ星に乗って喚姫島(よびじま)に降り立った、宇宙の民の末裔であるというのだ。
五色さんの腰から突き出たトゲに触れた時から、何もかもがおかしい。
どうも、そのトゲには毒があったようで・・・毒の効果とは?
観察
美しい物にはトゲがある。
五色さんにもトゲがある。
仕事に疲れて、その場に倒れ込んだ五色さん。
彼女の腰から何やら突き出ているものが・・・
それを「腰にペンが刺さっている!」と勘違いした一郎が触れた途端、「それに触れることは婚姻の証!」とか騒ぎ出したのだ。
まさかの毒針?
結果、一郎所有のアパートに住みつく。
一郎のその後の経過を観察する必要があるためだ。
幻覚
腰から飛び出しているトゲに触れた瞬間、頭の中に銀河が広がった。
それを「婚姻の証」と言われた一件以来、関係がギクシャクしたり、買い物などで距離を置いたりすると、一郎の気分が悪くなるのだ。
「恋煩い」とはこういうものだっけ?
いや、毒の効果で、幻覚を見せているのだ。
思考停止
一郎のアシスタントだけでは生活していけない。
他のアシスタント先も探す五色さんだが、絵柄が合わないのを理由に断られたという。
だが、その断った相手のマンガ家・佐野くんは、一郎の知り合い。
一郎の関係者と知ると、不採用が覆り、採用となる。
単なるコネ?
いや、佐野くんもトゲに触れて、思考が鈍らされているのだ。
麻痺
「あの、あの・・・」
話したいけど、言葉が出ない。
思っていることが、言葉にならなくなっていく。
これが恋というやつなのか?
吃音(きつおん)という発話障害が発症したのだろうか?
いや、いよいよ毒が回って神経が麻痺しているのだ。
医者では治せない恋の病。
・・・ではあるが、一度、医者に行くことをお勧めしたい。
毒なので。
しかし、五色さんと離れたくない一郎には、医者にかかるという選択肢はないと思われ。
「恋は猛毒」ってやつです。
間違えました。
「恋は盲目」ってやつです。
文章:ヒトツメロバ