出典:©久米田康治・講談社/さよなら絶望先生製作委員会
他の方からオススメいただいたアニメタイトルが、ちょっと琴線に触れなかったので、どうしたものかと(挨拶)。
と、いうわけで、フジカワです。
やるつもりはないのですが、『ヒロアカ』こと、『僕のヒーローアカデミア』をレビューしようと思ったら、一体どれだけの月日がかかるのか? がそら恐ろしい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の記事は、「アニメの感想ではないが、ちょっと珍しい話をしよう!」とかいった話です。
前提
さて。本題に入る前に、僕の経歴に由来する話なので、そのへんをざっくりと。
僕の前職は、ゲームライターでした。
だいたい16年間ほど、その道で食っておりまして、鼻に掛けるつもりは毛頭無いのですが、Wikipediaに僕の項目がある程度だと思っていただければ。
で、ですね。もっぱらR-18なゲームのシナリオを書いていたわけですが、全年齢向けのドラマCDの脚本、というものを書いたこともあります。
ゲーム本編からのスピンオフ、いわゆる、メディアミックスって奴ですね。それ関係で、過去に2作、ドラマCDに関わりました。
……ギャラがメタクソよかったので、すんげえ嬉しかったんですけどね。それはそれ。
『さよなら絶望先生』と僕
『さよなら絶望先生』と言っても、もうかなり古い作品です。
思い起こしがてらに検索してみたら、アニメの放送が、2007年なんですね。
ってことは、今から16年前! うわー、俺も年取るわけだ!
まあまあ、その頃の僕も、『絶望先生』に、結構と言うか、かなりハマってたわけですよ。
ちょうどその頃、ドラマCDの仕事がありました。
浮かれきった僕は、台本に、パロネタを入れたりしたんですよ。
平たく言えば、「絶望した! ○○に絶望した!」というセリフを紛れ込ませたわけです。
検品でNGだったなら、素直に直すつもりでしたが、なんかOKが出ちゃいまして。
そのまま、収録に入ったわけですよ。
なお、僕は、収録現場の緊張感が大好きです。
なぜなら、「プロの本気」が見られるから。
収録の際、台本を書いたライターは、呼ばれることもあれば、そうではないこともあります。
僕は呼ばれなかったので、自腹を切って、東京の現場に駆けつけました。
思わぬ再会、からの?
スタジオに入って、キャスト表(香盤表、と言います)を見て、二重の意味で驚きました。
まず、場を仕切る音響監督さんが、過去、自分のR-18作品を仕切ってくれたことのある、某I氏。
このIさん、2023年現在では、フリーでやっておられますが、有名どころのアニメに数多く関わっていらっしゃる、腕利きの方です。
僕が、「Iさん!?」と驚いたら、椅子から振り返ったIさんは、「はい? ああ、フジカワさん!」と、同じく驚いた様子。数年ぶりの、現場での再会となりました。
ただ、ひとしきり驚いたIさんが、ふいに、
「そうですか、これ(台本)、フジカワさんが書いたんですか……」
と、嫌に遠い目をなさいました。
後にして思えば、あの時の台本、あまりいい出来ではない、ぶっちゃけりゃあ面白くないシロモノだった。
ひねくれているかも知れませんが、
「そーか、テメェが書いたから、この台本はつまんねーのか」
言外で、そう言われたように思いました。
いや、正直すまんかった。
そして、もう一つ驚いたことは!
当日まで分からなかった、主人公のキャストが、『さよなら絶望先生』で、「工藤准」を演じておられた、「だいちゅうさん」こと、水島大宙(みずしま・たかひろ)さんだったことだ!
いやまあ、くだんの「絶望した!」の台詞は、別のキャストさんが喋ってくれたのですが。
(主役の)神谷浩史さんではなかったものの、パロ元の作品にレギュラーで出ておられる声優さんがいらっしゃったのですから、僕の驚きを推察していただければ。
今でも思い出せます。あの時、収録ブース内がウケていたことを。
恩着せがましいスタイル
皆様も、こういう裏話を、そうめったに目にすることがないかと思われます。
どないや? 珍しいやろ!?(鼻息フンスフンス)
業界を離れて結構経ちますから、全ては過去のこと……
……と申し上げたいのですが、厄介なことに、僕はなかなか、失敗を忘れられないんですよね。
悔やんだところで、どうにもならないのは分かってるんですけど、時折、ふと思い出して、苦々しい気持ちになります。
つか、あの時、腕が未熟だったことが痛切に(以下略)
んじゃまた。
文章:フジカワ