出典:©2016 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば製作委員会
井上雄彦さんの『バガボンド』というアニメを見たことがあります。男心をくすぐる、骨のある作品でした。『バガボンド』が休刊になって久しいですが、年月が経ちこの作品と出会ったときの衝撃は凄まじいものがありました。別の意味で男心をくすぐる作品だなと。
なぜ引き合いに出したのかというと、真逆のキャラクター性、リアリズムとファンタジー、でも、主観的鑑賞者としての心のうずきが似ているということです。それではこの作品の本質に迫っていきましょう。
転生の先に‥
引きこもりがちな少年佐藤和真(さとう かずま)はある日、車に轢かれそうになっている女性を助け、身代わりに死んでしまいます。そこで登場するのは、閻魔様ではなくアクアという水属性のキャラクターです。一応女神と言うことになっています。
急な展開で、転生する準備を始めるアクア。そのアクアは和真に「一つだけ来世に持っていっていいものを願え」と声をかけます。その状況に呆れた和真は、「来世にアクアを連れて行く」と宣言します。その投げやりな言葉が現実となり、画(かく)して和真はアクアとの冒険の旅を始めることになりました。
カッコ悪くて魅力的
新しい世界はサバイバルの渦中になります。新しくパーティーを結成しますが仲間たちは、頼りないにも程があり、アクアのステータスだけが目に浮く状況です。しかしそのアクアも超のつく天然キャラで「仲間」という集団自体がもうカオス(混沌)な状況になります。
ストーリー展開自体が新しいような、古典的のような、不思議な流れを生み出しているのですが、視聴者のニーズに応える意味で、主人公の和真がハーレム状態なのがこの物語の救いです。現実逃避したい人にもってこいのアニメです。
まとめ
この作品は、確実に現実逃避ができます。初めてSAO(ソードアートオンライン)と出会ったときのような感動もあり、その何もかもが頼りなくまとまったようなストーリー展開は確実に視聴者に共感をもたらします。カッコ悪くて魅力的なキャラクター達がアニメにより再現され躍動します。
職場でのルーチーンワークに疲れた時などはこの作品を見てリラックスするのもいいでしょう。アクアという神様がそのステータスを保ちながら一緒に転生してしまう割り切りの良さもこの作品の魅力です。現在原作のライトノベルが17巻まで続いています。またテレビアニメが見られる事を祈りましょう。
文章:Shinichiro.S