出典:©安藤正基・一迅社/愛知県立田金高校
体験入学の中学生にちょっかいを出したことが発端となり、写真部が生徒会から疎まれ始めた。
ある日突然、田金高校写真部は、部活動で何の成果も出せていないことを理由に廃部を突き付けられたのだ。
写真部存続危機に直面しても何とかなるさという態度で、今日もお郷自慢なのだが、しだいにその余裕も崩壊の兆しを見せはじめ・・・。
写真部崩壊へのタイムリミットを前に、しだいに部員たちが壊れ始める!
笹津 やん菜(ささつ やんな)の場合
生徒会室を訪れる一同。
手にあるのは伊勢名物「赤福餅」
しかしそれは中身のないただの空っぽの箱。
笹津にとって「箱を運んできた、箱だけに」とダジャレで場を和ませる計算だったに違いない。
が、よほど廃部危機のショックが大きかったのか、その場で箱は開けられることはなく、このダジャレも発動されないまま時は流れ、気付けば帰路についていた。
「箱だけじゃないかー!」と生徒会室からの怒りの声が、廊下に響き渡る。
只草 舞衣(ただくさ まい)の場合
廃部危機・・・それはすなわち八十亀ちゃん喪失危機でもある。
そのショックでダークサイドに堕ち、地元岐阜ディスりが止まらない。
岐阜名物の鮎料理について「海がないから鮎を食べているだけだ、岐阜県民もホントはマグロが食べたい」
飛騨高山、下呂温泉について「山を越え、野を走らんと辿り着かん。そんなところに誰が来る?!」
恵那峡ワンダーランドについて「雪が積もるから冬は営業していない。山奥なんかに遊園地を作るからだ。大自然が過ぎるだろ!」
八十亀 最中(やとがめ もなか)の場合
シェー!の格好のまま部室で倒れていた。
だがこれは、手羽先を長く口にしていないとかかる名古屋人特有の病気だという。
おいたわしや。
そんなに長く手羽先のことを忘れてしまうほど、廃部危機がショックだったとは・・・。
こんな彼女たち写真部を救う手立てはないのだろうか?
写真部の唯一と言える実績は、小さな写真コンテストに送った八十亀ちゃんの写真。
「なんでこんなの送った?」と思うほどの日常すぎる日常を撮った写真。
それでも一応、銅賞という結果なのだが・・・。
銅賞だけに「どうしよう?」ってか?
文章:ヒトツメロバ