出典:©佐野菜見・KADOKAWA/ビーバーズ
孤児養護施設に、養子を一人求めてやってきた園山夫妻。
風で飛ばされた帽子を掴まえてくれた・・・大雨の中で子犬に傘を差しだしていた・・・
「ぼく、秘鳥(ひとり)」
と名乗る、その金髪美少年に運命を感じ、養子に迎えた。
(ミギとダリのふたりで一人の)秘鳥少年を迎えて以降、園山家に不可解なことが次々と起きるのだ。
秘鳥くんの部屋や風呂場から話声
2階の秘鳥くんの部屋から、または秘鳥くんが入っているはずのお風呂場から会話が聞こえるんです。
覗くと、やっぱり秘鳥くん一人だけなんです。
殺人鬼に狙われる
子供が産めない体だと診断された一条怜子(いちじょう れいこ)は、若いメイド・メトリーに代理母を頼んだ。
そして生まれたのは三つ子。
そのうち一人を我が子・瑛二として育て、残りのミギ、ダリとメトリーを物置に閉じ込めた。
まもなくメトリーたちは脱走。そしてクリスマスの夜に瑛二を迎えに窓際に立ったメトリーを、オバケと勘違いした瑛二が突き落として殺害する。
この秘密をミギとダリに知られた怜子は、「コロス、コロス、コロス・・・」と一目散に園山家めがけて突進してくる。
オバケがでる
ハウスキーパーのみっちゃんこと光山さんが、一条怜子からミギとダリを逃がした直後に、消息を絶った。
それ以来、身の回りで怪奇現象が起きるんです。
得体のしれない何かが料理を手伝ってくれたり、掃除機が勝手に動き出したり・・・
みっちゃんは一条怜子に殺害された後も、町内をハウスキーパーに回っているのでしょうか?
タダ働きに不満はないのでしょうか?
実は初めから秘鳥が二人だと知っていた園山夫妻。
そらそうよ。双生児のミギとダリが、施設から二人とも消えたとなると「そっち行ってませんか?」と連絡があって当然。
クリスマスプレゼントを二つ用意して、ようやく「気づいてるよ」とネタばらし。
養子に迎えて以来、身の回りで起きる奇妙な現象を、園山夫妻はいつも穏やかな笑みを浮かべながら眺めていた。
当初は入れ替わるミギとダリを面白がっていたが、そのうち殺人鬼やらオバケやらを連れてくる。
その頃には、もはや笑顔というより、笑うしかない状態で・・・
文章:ヒトツメロバ