出典:©木緒なち・KADOKAWA/ぼくたちのリメイク製作委員会
巷のゲーム業界で、同年齢のクリエイターたちが「プラチナ世代」ともてはやされている中、橋場恭也(はしば きょうや)は失業し、ひとり実家に戻ってきた。
自室で憔悴していたところに妹から渡されたのは、10年前に記念で受験した大中芸術大学の合格通知。
大中芸術大学に進学していれば、「プラチナ世代」と席を並べていたはず・・・。
ふと、気付くとタイムリープして10年前の世界に戻っていた恭也は、今度は大中芸術大学へ進学して「プラチナ世代」と交わり、人生の成功者を目指す。
制作現場を仕切るポジションにありながら、結果的に「プラチナ世代」を世に送り出すことなく終わらせてしまった恭也の失敗とは?
温めていたアイデアを先回りして使ってしまった
偶然「プラチナ世代」と学生寮きたやま荘でシェアハウス生活することになり、大学でも「グループ北山」として活動することになった。
課題作品にみなが頭を悩ます中、恭也がいつか読んだ本の記憶から提案したショートストーリーは、後に鹿苑寺貫之(ろくおんじ つらゆき)がプラチナ世代のひとり、「川越京一」として発表するはずの短編小説だった。
「俺のアイデアなんて、誰にでも考えつくありきたりなものなんだな」
創作意欲を折ってしまった
貫之の学費稼ぎの手伝いとして同人ゲームの製作販売することになった。
期限にばかり気を取られ、クリエイターの意見を次々と却下し、完成を急がせた結果。
「創作活動ってお金が絡むと、上司の意見や期限に縛られて、やりたいこともできないのだな」
「プラチナ世代」の女性陣をたらし込んでしまった
後の10年間を知っているという優位な立場にいる恭也。
今後やってくる流行を捉えながらうまく立ち回るその姿に、女性陣もゾッコンになるのも当然至極。
恭也とくっつきたがって、本来の創作に気が向かなくなるのは仕方ないこと。
「創作活動より、恭也くんの事で頭がいっぱい」
10年後の世界で家族も仕事も得て、幸せを掴んだ恭也だったが、「プラチナ世代」はそこにはいない。
先のことを知っている恭也がピンチを救うことで、彼らの成長の機会を奪ってしまっていたことが原因だと気づく。
娘「橋場マキ」の存在を消すことになっても、「プラチナ世代」を無事に世に送り出すことを決意し、再び学生時代へタイムリープする。
家族との幸せをとるか?仲間をとるか?
あなたならどんな選択をする?
文章:百百太郎