出典：©渡 航、小学館／やはりこの製作委員会はまちがっている。完

あるひねくれボッチの青春。

このアニメは、小学館刊行のガガガ文庫作品「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」シリーズを元に、2013年から2020年まで間を挟みながらも3クールにわたって放映されました。

このアニメの主人公の比企谷八幡（ひきがやはちまん）は、ひねくれ者で高校入学後も友人を作らず学園生活を送ります。

八幡は国語の課題で「青春とは嘘であり悪である」から始まる作文を提出して国語教師であり生活指導を受け持つ平塚静（ひらつかしずか）に責められ、彼女からその性根を正すため奉仕部に入部させられます。

奉仕部は、生徒の悩みを解決するため手助けをする部活動であり、入部した八幡は雪ノ下雪乃（ゆきのしたゆきの）を紹介されます。

雪乃は美人で万能ですが、周囲の憧れと妬みから一人で学園生活を送ります。

似た境遇の二人ですが、土台となる考え方が異なり衝突します。

平塚は、二人に奉仕部に持ち込まれた相談を、どちらが多く解決するか勝負をするよう命じ、その見返りとして勝った者は負けた者に願いを聞いてもらえるというものでした。

最初に奉仕部に持ち込まれた相談は、八幡のクラスメイトの由比ヶ浜結衣（ゆいがはまゆい）からであり、二人は彼女の問題を解決します。

相談をした際、本音で語る彼らに結衣は好感を抱き、彼女も奉仕部に入部します。

八幡は、人が思いつかない斜め下を行く方法を考え実行し自己犠牲も嫌がりません。

文化祭では八幡が悪役になり問題を解決します。

同じように修学旅行時、八幡のクラスメイトの戸部翔（とべかける）が海老名姫菜（えびなひな）に告白したいと相談を持ちかけられ、八幡が泥を被って戸部が振られるのを防ぎます。

その方法を見ていた雪乃と結衣は彼の手段を受け入れられず、三人の関係はおかしくなります。

その後、一色いろは（いっしきいろは）が生徒会長候補になり候補から降りたいという相談を受け、彼らの関係は険悪となり三者三様の方法で問題に取り組むのでした。

ひねくれ者の美学。

八幡は日ごろ一人でいた経験による優れた洞察力を持ちます。

人の好意を信じず、何か裏があると疑う人の悪性しか見ない辺り筆者は共感します。

このアニメでは八幡の人間観はゆがんでいて、彼は学校の人気者で人の善性を信じる葉山隼人（はやまはやと）にお前が嫌いだと言います。

常に一人で問題に取り組もうとする八幡でしたが、物語が進むにつれて部活動でできた人間関係から理解者ができ、彼らを味方につけて解決の糸口を探すようになるのは彼自身が変化したからでしょう。

その他にも八幡は、いろはの相談に際し、「問題は問題にしない限り問題にはならない」などの迷言を吐き、汚い手段を使います。

奉仕部に持ち込まれた相談を解決する際、自分の信条に従う八幡の姿はすがすがしく、筆者は感じました。

まとめ

アニメの途中で八幡は、彼個人で相談を受けますが、自分の手段が通じず雪乃と結衣に手助けを願い出た時に「本物が欲しい」と言った本物とは何なのでしょうか。

そして、最後に三人の関係がどうなるのかがこのアニメの見所です。

文章：針尾