出典:©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
3人の命と1匹の鬼
22話では鬼殺隊本部の館に柱が9人勢揃いします。
禰豆子はいつもの箱の中に、炭治郎は両腕を後ろ手に縛られています。
10人と1匹の鬼を前にして事情を説明し始めたのが親方・産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)です。
柱は揃いも揃って「鬼を連れた鬼殺隊などあり得ない!」と禰豆子を否定します。
説得に応じない柱に対して、産屋敷はかつての柱にして炭治郎の師匠・鱗滝左近次 の手紙を読みます。
「禰豆子は鬼になってから、もう2年以上も人を喰っていない」「禰豆子が人を喰った時には、竈門炭治郎、鱗滝左近次、冨岡義勇が腹を切ってお詫びします」炭治郎はその手紙に感情をコントロールできなくなり、涙を流しました。
それでも柱たちには思い届かず、風柱の不死川実弥 (しなずがわさねみ)は自分の腕を斬りその血を禰豆子が入っている箱に落とします。
禰豆子は、涎を垂らしながらも不死川を無視することができました。
産屋敷は最後に、禰豆子も鬼舞辻無惨にとって懸念の一つだと言います。
更に鬼舞辻は炭治郎に追っ手を放っており、産屋敷は鬼舞辻が初めて見せた尻尾を離したくないと言います。
産屋敷と鬼舞辻
今回の収穫は、
①鬼舞辻無惨が炭治郎に追っ手を送っている。
②鬼舞辻にとって禰豆子が懸念材料である。
③9人の柱が一度も遭遇したことがない鬼舞辻無惨という男に炭治郎はすでに出会っている。
ということで、それがこの物語の強いフラグになっていると思います。
鬼は無尽蔵に強くなるわけではなく、鬼は鬼で必死に生存本能を燃やしているのだということが(鬼舞辻無惨の登場無くして)伝わった1話だったと思います。
人類は文化の発展とともに平和を求める生き物です。
鬼には叶わぬ“さだめ”があります。非情な運命です。
それは今までの炭治郎の旅路で痛いほど伝わってきました。
『鬼滅の刃』は表向きは、話題作ですが、同時に問題作であると思わせる場面が随所にあります。
まとめ
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を観てまいりましたが、柱と十二鬼月の戦闘シーンのスピード感が凄まじかったです。
この映画は(PG-12)となっており、小学生には保護者の助言・指導が必要なので注意して下さい。
そこでテレビアニメ本編を振り返って思ったことは、『死』という現象を必ず意味のあるものとして表現していることです。
単純な淘汰では済まない『成仏』という意識がこの作品を重厚で学ぶべき題材にしているのだと思います。
テレビシリーズもあとわずかです。最後まで命の表現に魅せられることでしょう。お楽しみに!!
文章:S.Shinichiro