出典:©柳田史太・星海社/トモちゃんは女の子!製作委員会
相沢 智(アイザワ トモ)と久保田 淳一郎(クボタ ジュンイチロウ)は幼い頃からの親友。
高校生になったばかりのある日、トモは淳一郎に「愛の告白」をする。
が、「俺も愛してるぜぇ、親友!」と、はぐらかされ、気持ちが伝わらない様子に愕然とする。
気持ちが伝わっていないのではない、淳一郎のある性格が恋愛の妨げになっていることにトモは気づかない。
付き合いの長いトモも気づかずにいる淳一郎の性格を推察する。
ゲーム機カツアゲ事件
子供の頃、いじめっ子に奪われた淳一郎のゲーム機を、トモが奪い返してきた。
淳一郎はそのゲーム機を受け取ろうとせず「お前に勝ったら、ゲーム機を返してもらう」と宣言する。
淳一郎にとっては自分で取り返すつもりが、トモに先手を取られた!という思いが強く働いたに違いない。
初めての彼女事件
群堂 みすず(ぐんどう みすず)に「俺と付き合うってのを、やってみないか?」と告白。
初デートでサイクリングに連れ出し、目的地には淳一郎が先に着いた。
こんな調子で5キロ痩せた群堂。
そして3日目「お前とは違う気がするから、付き合うのは終わりにしよう」と淳一郎のほうから振った。
告白で1勝、目的地に先着して2勝、痩せさせて3勝、振って4勝。
「群堂に全部勝った!」
という気持ちなのであろう。
その後も恨みをぶつけてくる群堂に対して「おまえなんか、相手にならねぇ」と腹の中では嘲笑っているのかもしれない。
トモからの告白事件
そして、トモのほうから先に告白されてしまった。
これは敗北でしかない。
なので、「俺も愛してるぜぇ、親友!」と告白自体を有耶無耶にしたことで、内心勝ち誇っているのかもしれない。
そのうえで、今度は淳一郎から告白をするのだ!
そうすれば彼は勝った気になれるのだ!
淳一郎は恋愛事に鈍いのではない
「相手に先を越されるのがイヤだ!」という彼の「負けず嫌いの性格」が障害になっていることにトモは気づかない。
そこを見抜けないところを見ると、鈍いのはトモのほうかもしれない。
恋愛事も勝負事。
何でも勝負にすり替えて、そして勝たねば気が済まぬ・・・淳一郎はそういう男である。
文章:ヒトツメロバ