出典:©賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA
ぶっちゃけ、この記事を書くに当たってアニメを観るのは、私的な時間にやらねばならんのですが、面白いし、いい刺激になるしで、デメリットらしきものはないという(挨拶)。
と、いうわけで、フジカワです。アニメのコンテンツが溢れかえっている昨今、第三者からレコメンドを頂けるのは素直に有り難いと思う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日の記事は、「『地獄楽』の第一話を観たよ!」とかいった話です。
概要&あらすじ
原作は、『ジャンプ+』に掲載されていた(調べたところ、既に原作は完結しているとのこと)、賀来ゆうじの同タイトル。2023年4月からテレビアニメが放映開始となりました。
冒頭のあらすじとしては、こんな感じ。
――時は江戸末期。石隠れ忍団最強の忍び、画眉丸(がびまる)は、抜け忍として囚われ、死罪を言い渡された身。彼は、幕府から、無罪放免になる条件を提案される。
それは、琉球の果ての、極楽浄土の地にあるとされる、「不老不死の妙薬」を持ち帰ること。
画眉丸は、最愛の妻のため、その条件を呑み、打ち首執行人である、山田朝ェ門佐切(やまだあさえもん さぎり)と共に、旅立つことになる。
いきなりかっ飛ばす!
まず、「打ち首の難しさ」の説明から入り、画眉丸の処刑シーンで、物語は幕を開けます。
フィクションにツッコミを入れることほど野暮なことはないんですが、画眉丸が、死なない。首に向けて刀を打ち下ろしても、文字通り刃が立たない。しまいにゃ、刀の方が折れる始末。どんな肉体だ。
ならばと、お奉行様(こいつがまた、下品なサド野郎で、結構いい味を出してるんだ)は、様々な処刑法を試します。火刑、牛による足からの引き裂き、などなど。それでも画眉丸は死なない。どんな(ry
画眉丸自身は、特に忍術を駆使して抵抗しているわけではない。むしろ、早く殺してくれと思っている。でも死ねない。
最終手段として、腕利きの打ち首執行人である、山田朝ェ門佐切の登場となります。ちなみに、「山田朝ェ門」という名前と裏腹に女性であり、当初はただの記録係として登場します。
「生」への執着、そして……
佐切と相対する画眉丸。(おそらく無意識的に)佐切の攻撃をかわし続けます。
彼は彼女から、「死にたがっている」ことが嘘だと見抜かれます。
画眉丸には、妻がいます。彼曰く「長の娘ではあるが、箱入り」な女性。優しく上品で、夫のことをひたすら気に掛ける。一言で言えば、「できたいい嫁」です。
血も涙もない、「がらんの画眉丸」の異名を取っていた彼は、妻によって自分が変わっていたこと、そして彼女を、心から愛していたことに気付かされます。
そう。画眉丸が抜け忍となったのも、人を殺して金を稼ぐようなことをして、妻を哀しませたくないがため。二人で静かに暮らしたい、という動機。美しい。
この辺の明かし方が、実に巧妙。今まさに殺されんとしている極限状態において、初めて自分の気持ちに気付く。劇中で佐切自身も語っていますが、人間、真剣に切羽詰まった時こそ、本性が洗いざらい出るもの。うまい。
またしてもヤボなツッコミですが、それまで刃が立たなかった画眉丸の身体。なぜか、佐切の刀ではあっさり傷が付きます。なんでやねん。
画眉丸は、自身の、妻への愛に気づく。彼女のために、死ぬわけにはいかない。その決意を読んだのか、佐切は、先述の、幕府からの「交換条件」を提示してきます。
第一話は、画眉丸が条件を呑み、旅立つ決意をして、まずは江戸に向かわんとするところまで、です。
まあ、分かりますよね。死刑を免れるためなら、まして、愛する者がいるならば、それこそ、死に物狂いになるでしょう。
まとめ
ってことで、まとめます。
話の展開として、気になるところは多々ありますよね。
そもそも、「極楽浄土」に、本当に不老不死の妙薬が存在するのか?
また、これは作品の公式サイト上にも書かれているのですが、同条件の、他の罪人達もいる。つまりは競争。画眉丸の愛が勝つのか? それとも……?
僕個人としては、女性である佐切を伴う旅である以上、画眉丸(あるいは佐切)の心境にも、ちょっと波風が立った方が面白いかな? とか思います。
全体的には、グロい描写もあります。ただ、主人公の動機が美しいので、応援せずにはいられない。第一話のツカミとしては、これ以上もないでしょう。
追っかけることを心に決めつつ、今回はこの辺で。
んじゃまた。
文章:フジカワ