出典:©川原正敏/講談社・マーベラスAQL・創通・修羅の刻製作委員会
この作品の元を辿れば、週刊マガジンで連載されていた『修羅の門』が発端となっています。掲載期間は1987年5月号 – 1996年12月号なので、40代~50代の方なら格闘漫画といえばこの作品を思い出す人も多いでしょう。
待望のテレビアニメ化は僅か半年弱でありながら、ファンの間で大きな話題となりなした。
修羅の刻とは!?
この作品は『修羅の門』の主人公・陸奥九十九の祖先達が、時代の影に隠れながら日本を動かしてきた、その歴史を『刻』として刻んだ物語です。
最強の格闘技『陸奥圓明流』には古くからの歴史があり、宮本武蔵や織田信長、時には海を越えてアメリカのウエスタン、そして昭和の時代まで遡って繰り広げられる壮大な陸奥圓明流の活躍は『修羅の門』を読んだことのある方も、ない方も興奮したに違いありません。
ちなみにウエスタン編ではインディアンとの交流やワイアット・アープを凌ぐ速さの弾丸を素手で投げつけるなど、ある種ユーモアともとれる超人技が紹介されています。
奇跡の歴史は紡がれる
基本的に常人にとっての『無理』を越えていくことが魅力の修羅シリーズですが、祖先を辿ると本当に超人的な技を目の当たりにすることができます。
戦うことの美しさを養うストーリー
残酷な一面を見せることもあるこのシリーズですが、『戦うことにより得られる幸福』を深く共感させられる作品になっています。
タイトルに外伝とあるように、完全に飛躍した妄想を見せられているような感覚にもなりますが、『修羅の門』という原作漫画を読んだ前提であれば、ご愛嬌となるでしょう。
柳生十兵衛と宮本武蔵
個人的には28代の柳生十兵衛が出てくるあたりが宮本武蔵のストーリーともリンクしていてお勧めです。『修羅の門』は18巻続いた人気作品です。
この機会に漫画とアニメを一気見して頂くと、何か新しいインスピレーションが生まれるかもしれません。2019年が終わろうとしている今でも、十分に伝説的な作品だと思います。
日本の歴史に張り付くような物語
筆者は優れた芸術作品にはエゴが付き物だと思っています。そのエゴと傲慢さが最も美しい流れを描き出しているのがこの作品だと思います。
源頼朝から織田信長などの歴史に名を刻んだ歴史の代表格とことごとく接点を持つのが陸奥圓明流なのです。まさに、日本の史実に陸奥のDNAが付き添っているかのようです。そうあっても視聴者を納得させてしまうのが、原作者のエゴイズムであり、そこにある世界観です。
話題性抜群の伝説になりうるアニメ作品
例えば、学校で「陸奥圓明流は素手で、ピストルの速さの弾丸を撃てるらしいぞ」と話題になります。周囲の学生は気になって仕方ありません。
このような単純な構図で話題は広まり最強の格闘技の仲間入りするような現象が、当時巻き起こりました。『北斗の拳』と同じ構図です。少年たちの信頼は厚く、それが想像の世界の話だと分かっていても感動し、共感した思い出があります。
今尚、需要の大きなこの世界観が再び復活を遂げて現代の子供達に感動を送ることを願っています。
文章:Shinichiro.S