出典:© タツノコプロ・読売テレビ
大人世代が知っているアニメ『ハクション大魔王』が放送されていたのが1969年から1970年です。半世紀も経って『ニーゼロニーゼロ』と言う尻尾のついた作品がようやく復活しました。
主役級の活躍を果たすのがあくびちゃんです。時に大人の姿で現れますが、姿だけ大人になっても不自由なこともあるのだと悟るシーンが印象的です。
あくびちゃんの修行の日々
1969年版の主人公が小学生のカンちゃんこと、与田山かんいち君。2020年版の主人公が小学5年生のカンちゃんこと、与田山カン太郎君(かんいちの孫)です。ある日かんちゃんの元に小包が届き、中を開けてみると奇妙なツボが入っていました。そして、かんちゃんがあくびをするとツボの中から可愛い女の子が出てきます。
前作を見た方にはお馴染みのあくびちゃんです。あくびちゃんはハクション大魔王の言いつけで人間界に修行に来ていたのです。しかし、オナラで飛び出すプゥータと言うあくびちゃんの弟の騒動も相まって日々騒がしい生活を送ることになるのでした。
懐かしさと新しさの両立
50年の時を経てガラリと変わったような、でも既視感もあり、懐かしさもある物語です。構造的には変わりなくかんちゃんが困っている時もなんでもない時も、あるいは出てこなくていいときもあくび一つで登場するのがあくびちゃんの法則なので、1話ごとに違った色を見せてくれるのがありがたいです。
ハクション大魔王が登場する回では50年と言う時を超えて、すっかり文明がひらけてしまった為、自分の役割が科学に奪われてしまったような心情も描かれています。いわゆるジェネレーションギャップというものでしょう。そんなこんなで執筆時点(2020年6月)でも大好評放送中のこのアニメ。まだまだ良い色気を見せてくれそうな予感がします。
まとめ
見ようによっては全く新しい発想のアニメに見えます。人懐っこさで言えばあくびちゃんは圧倒的なものがあるし、かんちゃんの無邪気さやあくびちゃんに対する優しさは視聴者の子供達にも良い刺激を与えるでしょう。
優しさで言えばハクション大魔王も負けていません。なんというかあくびちゃんはかんちゃんに対しても大魔王に対しても甘え上手なところがあると思います。そこに弟のプゥータが登場するとファミリー感が沸点に達します。これからも長い目でお付き合いしたい作品の一つです。
文章:S.Shinichiro