原作はモンキーパンチさんと青山剛昌さんの協力タッグ、まさに日本アニメ界のキワモノ二人が一つの作品を作り上げました。
モンキーパンチさんは2019年に亡くなっているので、この原液100%のアニメ作品(しかも長編劇場版)を見ることは二度とできなくなりました。
なんといっても見所は二つの強烈な個性がどのようにコラボレーションするかというところにあり、日本アニメを語る上で欠かせない作品になりました。
踊るルパン
人質になる峰不二子と犯人の言いなりになるルパン三世、こんなにも弱っているルパンを見るのは久しくありませんでした。もう一人、エミリオという海外のアイドル(声優:入野自由さん)もまた脅迫されています。そんな中、エミリオ、蘭、園子を次元大介が救い上げるシーンもあります。
少年探偵団がルパンのアジトを見つけるも、五右衛門に見つかり睡眠薬で眠らされ、不二子により阿笠野博士のもとに送られるシーンなど、ファンの心を掴む演出が非常に多いです。奇跡の宝石「チェリーサファイア」を巡る様々な問題はクライマックスで感動のドラマを魅せてくれます。
子供にもわかりやすいサービスが満載!!
今回、怪盗キッドというキャラクターはルパン三世にかぶるキャラクターなので登場しないのだろう、という予想を立てていました。ですが上映が始まり間も無くその予想は裏切られます。
『名探偵コナン』の世界観をベースに、本編通して重要なキーマンとなるのがルパン三世です。主人公・二人の出会いの瞬間は、サービス満点です。現れた怪盗キッドは実はルパン三世の変装した姿だったという‥。
ルパンの素朴さ、コナンのクールさ、どちらも完成された美学
『ルパン三世』と『名探偵コナン』という作品だけでもミスマッチなのによりによって今回の主要なバディはコナンと次元です。正反対の世界観を持っていそうなこの二人は、ラストシーンまで共にライバルのような素顔を見せてくれます。
ルパンのダイナミックなアクションシーンとコナンの頭脳明晰な追求が物語を美しく引き立ててくれます。この展開は青山さんのこだわりだなぁとか、このシーンの躍動感はパンチさんしか生み出せないなぁとか色々な感想が湧き上がってきます。
互いにリスペクトし合っているのもよくわかり、アニメーション界の伝説になるべき作品だと思います。
文章:Shinichiro.S