アニメコラム

至極のSFアニメーション『アップルシード (APPLESEED)』をご紹介

出典:(c)2004 士郎正宗/青心社・アップルシードフィルムパートナーズ

映画『アップルシード』の原作者は士郎正宗氏であり、『攻殻機動隊』の原作者でもあります。SFの中でも特にサイボーグ系が得意な士郎正宗流の設定がファンの心を鷲掴みにしています。

『アップルシード』の影響力は強く今尚、戦争の絶えない世界情勢に対して警鐘を鳴らす作品として世界的にも人気のある作品です。

原作はアメリカの開拓時代やギリシャ神話に影響を受けており、特徴としては攻殻機動隊と違い、ヒトである主人公の目線で物語が進められていくことです。

『アップルシード (APPLESEED)』あらすじ

舞台は今から100年後の22世紀初頭、第5次世界大戦の傷跡が残るオリュンポス(理想国家)という街での出来事です。オリュンポスは世界大戦を終息させた都市です。しかしその実態はガイアというAIの導きで、人間が生殖機能や感情をコントロールされて、強引な手段で平和を創り上げている、決して民主主義とは言えないものでした。

ブリアレオスというサイボーグはオリュンポスの上層部・行政院からデュナンを守るように命令されていたのです。そして、デュナンとブリアレオスは先の非核大戦で共に戦った戦士としての仲間であり恋人同士だったことが判明します。

 

行政院にはガイアと会話する七賢老がいます。デュナンは、デュナンの父・カールや「アップルシード」のことを聞きました。デュナンは自分の使命を心に抱きます。

『オリジナルストーリーを心行くまで楽しめる』

サイボーグやAI(人工知能)アップルシード計画など100年後の技術社会を予測するキーワードがストーリーに多く埋め込まれています。ちなみに原作が1980年代のものにも関わらず、兵器として「サリン」が作中登場したり、中東に極めて危険な宗教国家が現れる等、士郎正宗氏の未来予知能力には感嘆させられます。

『攻殻機動隊』の時代設定が2030年で『アップルシード』が22世紀初頭なので時系列でいうと、光学迷彩や電脳というキーワードが第5次世界大戦で廃れ、サイボーグとガイア(人工知能)だけが残った時代背景ということになります。社会は、大戦のショックで技術的にやや平静を取り戻したというところでしょうか。

 

はたまた、その逆なのでしょうか。孤独を乗り越えた先にサイボーグになった元恋人が待っているなどドラマチックすぎる展開です。デュナンのヒトであるが故の葛藤とバイオロイドとの関係など胸を締め付けられる展開が目白押しです。

他のどのアニメとも違うオリジナルストーリーをお楽しみください。

『アップルシード (APPLESEED)』は色々な事を学べる作品です

『デュナン・ナッツ』の姿は圧倒的存在感を示しています。ストーリーは、父の残した功績をデュナンが受け継ぐという運命を中心に描かれます。

そしてライフサイエンスという言葉が原作者の士郎正宗さんが問いたかった未来への系譜なのではないでしょうか。色んなことを学ばせてくれる作品です。

 

文章:Shinichiro.S

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