出典:©紀伊カンナ / 祥伝社・海辺のエトランゼ製作委員会
橋本 駿(はしもと しゅん)は突然婚約を破棄し、小説家になる夢を抱いて、遠い親戚のいる沖縄へやってきた。
そこで海を眺める一人の少年と出会う。
少年の名は知花 実央(ちばな みお)。
実央の不遇な身の上を知った駿が、差し入れや話し相手になるなど親切にしているうちに、そっちのケがあると思われて・・・。
周りに気を使いすぎる駿はいつも「失敗忖度」しすぎるのだ。選択を間違えすぎるのだ。
こういう時は、こう切り返せ!
失敗忖度その1
それは高校時代のある日。
クラスのイケメン男子に見惚れていると、「あいつ、またお前のこと見てるよ、気があるんだぜ」と噂する他の男子たち。
それに対して「いつもそいつの取り巻きになっているお前らに言われたくないわ!」って言ってやれって思うのです。
ところが駿はその言葉に乗り「あれ?俺ってそっち系?」って思ってしまう。
失敗忖度その2
結婚式寸前で「俺は男が好き!」と叫んで、幼馴染女子との婚約破棄して家を飛び出していく駿。
あの時のクラスの男子たちの言葉が脳裏に焼け付いていたのでしょう。
さっさと忘れて未来志向で行けばいいものを・・・。
なぜか婚約者より、彼らのほうに忖度してそんな行動をとってしまった。
まさに、「ゲイのためなら女房も泣かす~♪」ですな。
失敗忖度その3
婚約を破棄し、沖縄に逃げ込んだのは小説家になるためと体裁をつくろう。
とりあえず原稿に向かうが、何にも書けない。
これでは、ただの居候ではないか!
真っ白な原稿を見られても不思議に思われないのが不思議。
いや、ここは周りが駿に忖度した?
ここで追い出しておけば、後の悲劇は避けられたものを・・・
「血族の恥」は避けられたものを・・・
失敗忖度その4
駿のことがすっかり気に入って、いつも愛の告白をして迫ってくる実央。
単に逃げればいいのです。
ひたすら無視すればいいのです。
ところが駿はそんな実央にこれ以上、恥をかかせたくないと思ってしまったのでしょう、とうとう・・・
(小声)ヤッチャッタ・・・。
駿を見ていて、思うことはただ一つ。
「周りの空気に流されずに、常に自分の意識をしっかりもって行動を!」
文章:ヒトツメロバ