出典:©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険DU製作委員会
それは一途な愛
アニメや漫画に登場する「ヤンデレ」と呼ばれる単語を皆様はご存じでしょうか?
「病んでいる」と「デレ」を合わせた単語で、簡単に説明すると「心を病むほど相手を愛している」といったキャラクターを指す単語になります。
今回はそんな深い愛情と狂気に満ちたヤンデレの良さを語ってみたいと思います!
尽くす愛、増長する愛
ヤンデレの特徴として、異常なまでの献身的な振舞いと激しい思い込みが挙げられます。
例えば「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部に登場する「山岸由花子」は同級生である広瀬康一に恋をする少女で、彼のために手作り弁当や手編みのセーターを作ってきます。
ただそれだけならまだ微笑ましいのですが、「今朝市場まで行ってお弁当のための魚を仕入れてきた」「セーターを朝まで編んでいた」という台詞から少々重い愛情を感じてしまいますね…
そしてついには康一を「立派な男にする」という名目で彼の部屋に侵入し拉致、別荘に軟禁するという危険な行為に発展しました。
流石に命の危機を感じた康一は自身の能力(スタンド能力)を発揮しますが、由花子もスタンド能力の持ち主であり、「私たち最高に相性がいいわ」と喜びます。
自分に尽くしてくれるのは嬉しいですが、行き過ぎた愛情には恐怖を感じてしまいますし、なにをやっても都合のいいように解釈され思い込まれては手も足も出ませんね。
ですが、相手に尽くされたい、相手に支配されたい、という願望を持つ方にとってはこのようなヤンデレ行動はご褒美なのではないかな?と思います。
攻撃的な愛
ヤンデレの狂気を表す記号として「刃物」「流血」の描写は珍しくありません。
基本的には好意を持つ相手にではなく、邪魔をする(と勝手に思い込んでいる)相手に対し攻撃性を見せます。
好きな人を独占したい、という感情が高まってしまった結果です。
有名なキャラに「School Days」の「桂言葉」が挙げられます。
主人公である伊藤誠と交際しますが、誠は言葉以外の女生徒と肉体関係を持ち、ついにはその一人である西園寺世界が妊娠してしまいます。
世界に子供をおろすことを促した誠を世界は刺殺してしまい、誠の死にショックを受けた言葉は世界を殺害します。
最後は海に漂う船にて言葉は切り取った誠の首を抱きしめ、「やっと二人っきりですね、誠くん」と呟いて物語は終わります。
誠を刺殺した世界も病んでいるといえばそうなりますが、世界を殺害し、その後彼女の腹部を裂き「中に誰もいませんよ」と言い放つ場面……世界が本当に妊娠しているか確かめるための行動ですが、常軌を逸しています。
しかし彼女をそこまで突き動かした原動力は「誠への愛」。ある意味では究極の愛の形とも取れますね。
美少女に似つかない「刃物」「流血」の描写は少し中二病に通じるものもあり、そこがエモい!かっこいい!と感じる方もいるかもしれません。
愛に対抗出来るのは、愛だけ!
実際に自分がヤンデレに好かれたら…場合によっては恐怖を感じたり、まわりに危害を加えられたりとハラハラどころでは済まない騒ぎに心が落ち着く暇はないかもしれません。
ですが、「病み」を一旦置いておいてその深い「デレ」、つまり「深い愛情」のほうに目を向けてみてはどうでしょうか?
全ての行動は自分自身のためにやってくれている、自分にここまで深い愛情を抱いてくれてる……例えばそれが自分が愛する人からの愛情だったとしたら?愛する人から愛されることほど幸せなことはないのでは…?
ヤンデレを怖がる前に、まず自分からヤンデレを愛することから始めてみてはどうでしょうか?もしかしたら自分の友人、家族すら消え、相手と永遠に二人っきりになってしまうかもしれません。
ですが、それはそれで平穏で幸せな日々が待っている……かも?
そんな隠れた魅力がある「ヤンデレ」。勇気を出して、あなたから歩みよってみては?
文章:のいせ