出典:©2014 よしだもろへ/KADOKAWA 角川書店刊/いなり製作委員会
女子中学生伏見 いなり(ふしみ いなり)は、クラスメイトの丹波橋 紅司(たんばばし こうじ)に片想いする日々を過ごしていた。
ある日、川に落ちそうになっている子狐を保護したところ、伊奈里神社に祀られている宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ 通称うか様)にお礼として神通力を授けられる。
いなりは、その神通力による変身能力などを駆使して、丹波橋くんとの距離を縮めていく。
このまま大団円に向かうはずがなく、うか様以外にも、いなりのシスコン兄や、うか様のシスコン神なども絡んできて、グチャグチャな様相を呈していく。
結局、伏見いなりって何になればいいの?
妖怪?
何かある度に、丹波橋くんにおんぶされるいなり。
おんぶオバケ?こなき・・・?
レズ?神?
墨染 朱美(すみぞめ あけみ)はクラス男子の憧れの的で、いなりが羨ましがる存在でもある。
だが、墨染もまたいなりの事を羨ましく思っていた。
男が好きなのに女たらしのいなり、女が好きなのに男たらしの墨染。
互いが互いを羨ましがる状況に。
そんな性癖の歪んだ墨染がいなりに向かって「いなりちゃんになりたい!」と願掛けすると、いなりに変身できてしまった。
恩人?
演劇のヒロイン役を引き当てる、他人のラブレターを風で吹き飛ばして紛失する・・・などの奇跡を起こす神通力。
だが、いなりが神通力を使うたびに、うか様はエネルギーを消費する。
それはやがて、うか様を消滅させるという。
そうとは知らないいなりは、心はいつもキツネダンスとばかりに、調子に乗って神通力を使いまくる。
この状況を危惧した天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、うか様を天岩戸に閉じ込めてしまった。
ここで見落とされていた事実がある。
それは、うか様が閉じ込められている天岩戸には実は、空気孔がないということだ。
神通力を返そうと、天岩戸へ急行したいなりだったが・・・
いなりの到着が少しでも遅れていたら、消滅以前に窒息死していたかもしれない。
つまるところ、なりたいものに成ればいい。
「いなり、こんこん、石油王にでもなーれ」で、どうですかね?
文章:ヒトツメロバ