出典:©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
前回五話の物語では鶴見中尉に捕まって絶体絶命の杉元が脱獄王・白石の協力で一命を取り留めたシーンから、本土からやってきた土方歳三のヤクザ狩りのシーンまででした。
第四話がアイヌ文化の紹介のようなストーリーだったので、激しく殺伐としたシーンから一歩抜け出したいという視聴者の心境に応えるように、第六話では鹿狩りのエピソードが続きます。そして熊狩りの二瓶鉄造(にへいてつぞう)も登場します。
鹿の脳味噌は旨いらしい
かつてアシリパさんは谷垣というまたぎに追い詰められたことがあります。その時に助けてくれたのが相棒の白い狼・レタラでした。そして現在の谷垣は熊殺しの二瓶と共に、当時既に伝説となっている幻の白い狼を狩るために結束します。
時は少し戻りアシリパさんと杉元の鹿狩りの話になります。アシリパさんが鹿を追い込んで杉元が銃で撃ち殺(あや)めるという作戦でしたが一瞬で終わるはずの狩りが再三の杉元の邪念により数日間の戦いになってしまいます。そして、結局最後はレタラが仕留めることになってしまいます。寝床に帰ると白石が潜り込んでおり、再会も祝しながら鹿鍋を堪能するのでした。
心の隙
ダーティーロードも一旦落ち着き鹿狩りの話になりました。昔は大量に生息していたエゾシカも絶滅危惧の段階になり、鹿を餌として暮らしていた狼もまた絶滅寸前の状態にあります。
杉元が鹿を仕留められなかった理由の一つは自分自身の境遇と鹿を重ね合わせて同情の念を抱いてしまったからです。戦時中は有無を言わさず敵を殺害することだけに集中していた杉元もアイヌの少女・アシリパとの出会い、カムイコタンでの生活を通して若干感傷的になっているのかもしれません。
生き残る理由
レタラは賢い狼です。レタラの命を狙っている二瓶の相棒リュウ(アイヌ犬)も、レタラの縄張りに入るのを嫌がります。
北海道の財産と言ってもいいレタラは銃で撃たれますが急所は外したようです。第七話でもまだまだ続くレタラと二瓶の戦いに注目です。
文章:S.Shinichiro