出典:©1988マッシュルーム/アキラ製作委員会
映画『AKIRA』は1982年に連載をスタートした大友克洋氏の原作を1988年にアニメーション映画化したものです。漫画版全6巻中3巻までのストーリーと映画オリジナルのエンディングで構成されています。
そして、『AKIRA』の最大の魅力はその世界観とメカニックデザインです。
主人公の金田は暴走族のリーダーで配下には山形・甲斐・鉄雄も従えていました。舞台は2019年の新首都「ネオ東京」です。第三次世界大戦から31年後のことでした。反政府組織と軍が争いを続ける中、軍には子どもを対象にした超能力の実験施設がありました。
ある日、暴走中に鉄雄がタカシという実験体と接触事故を起こしたことにより、鉄雄は能力が覚醒します。鉄雄はネオ東京で暴れまわり、仲間だった山形を殺害してしまいます。2020年に開催予定の東京オリンピック会場にはバイクに乗った金田と暴走を続ける鉄雄、軍も出動し、いよいよ最終決戦が行われます。
まず1980年代の作品であるにも関わらず2020年の東京オリンピックを設定として予測していたことが驚きです。しかも最終決戦の場に設定しているところに大友監督の奇跡的な未来観が伺えます。この作品で最も話題に上るのが、金田のバイクです。どう見ても特注で、今でいうビッグスクーターのような赤いフォルムのメカニックデザインが当時の最先端のイマジネーションとして、一気に人気が拡散しました。
主人公は金田ということになっていますが宣伝用ポスターやDVDのパッケージには鉄雄が描かれることも多いです。不遇な状況に立つことになる鉄雄とネオ東京を救えるのは実験体の子供達が奇跡の子として崇める「アキラ君」なのです。最後まで目を離せない怒涛のストーリーです。
文章:Shinichiro.S