出典:©2023 StudioColorido All Rights Reserved.
台詞無しのショートアニメ
『寫眞館』(しゃしんかん)は約15分ほどのショートアニメ作品です。
2013年に「陽なたのアオシグレ」と同時上映されました。
作中で台詞は一切無く、ピアノソナタのBGMだけが流れています。
写真館の主人と笑わない女の子
「日の丸寫眞館」という写真館を営む男性のもとに一組の夫婦が訪れました。
写真を撮ろうとしても照れてうつむいてしまう婦人に写真館の男性は花を差し出し、夫人を笑顔にさせることが出来ました。
時が経ち、夫婦に子供が生まれました。
今度は婦人と赤ん坊の女の子の写真を撮ろうとしますが、男性が何をやっても女の子は笑いません。
更に時が経ち女の子は大きくなり、結婚して子供も生まれます。彼女は何度か写真館に訪れ写真を撮ってもらいますが、いつも彼女だけは笑いません。
そこから更に時が経ち、年老いた彼女は写真館に立ち寄ります。
感想
登場人物の動きや表情がとても丁寧に描かれており、台詞が無いことも想像力を働かせる良い演出だと感じました。
町の風景がだんだん変わっていくのも長い年月が経っていることを表しており、その中で丘の上にぽつんと佇んでいる写真館を見ると「ここだけはあんまり変わってないな」という安心感がありました。
ピアノソナタのBGMも淡々と進む物語によく合っていたと思いました。
最後の方はちょっと泣きそうになりましたが、見終えた後は「良い作品を見たなぁ…」という余韻に浸れました。
ショートアニメが好きな方、レトロな雰囲気が好きな方にはとてもオススメの作品です。
文章:大葉勺々