桐山光侍(キリヤマコウジ)氏が原作漫画を描いた『忍空』は、2005年のSECOND STAGEの方が その名が通っているかもしれません。
週刊ジャンプで掲載されており、多くの人の目に焼き付いたであろう、迫力のあるバトルアクションはテレビアニメでも人気の高い作品です。
ミステリアスな世界観に注目
この作品は、忍術と空手を組み合わせた史上最強の武術『忍空』という未知なる力により、世界に平和をもたらそうとする主人公の風助(ふうすけ)の姿を追うストーリーです。
世界観が、二度の世界大戦を終えた後であること、そして風助には行方不明の母親がいること、などがあります。忍空隊の解散の秘密などミステリアスな要素も備えています。最強とも言える実力を持った少年が大きなハンデを抱えながら真相に近づき、成長する姿は画風を裏切るように感動を覚えます。
シリアスで面白い
この作品は一見、『ケロロ軍曹』に似たインスピレーションを持っていると思います。しかし、『忍空』はバトル要素が強く、笑えるくらい真面目に戦闘します。
主人公の風助は実はエリート
12歳にして元・忍空組1番隊隊長「子忍」というキャリアは圧倒的です。これだけのポテンシャルを持っているからこそ、母が人質にとられているのではないか?なぜ忍空という平和の力がこの世界から姿を消したのか?などの大きなテーマが見えてきます。
とにかく常時ふざけるそぶりもなく戦い続けている風助のキャラクターが圧倒的存在感を示しており隅から隅までが見所です。絶妙なユーモアセンスがテレビアニメーションの世界でも生き生きと表現されています。風助が籍を置いていた干支忍の強さと謎に注目です。
豪華な制作陣
忍空の主人公・風助の声優さんには松本梨香さんが抜擢されています。松本さんはポケットモンスターのサトシ役でも有名であり、観ている視聴者に安心感を与えてくれます。
また、アニメーション制作はスタジオぴえろが担当しており、この会社は1981年の『うる星やつら』をはじめとし、数々の名作を世に送り出しています。
監督の阿部 記之(あべ のりゆき)氏はのらくろクンをはじめとし、ちびまる子ちゃんやナルト、ボルトなどでも絵コンテを任された人物です。原作者の桐山光侍氏の圧倒的な画力をアニメに実現するためには、こうした類稀な才能が集結することにより実現したのです。
文章:Shinichiro.S