アニメコラム

舞台はブリタニア『七つの大罪』テーマは精神論の具象化(2014年)

出典:© 鈴木央・講談社/「七つの大罪」製作委員会・MBS

少年週刊マガジンで2012年に創刊され(2019年9月時点)、38巻まで発表されている作品が『七つの大罪』です。丁度、週刊ジャンプの『ワンピース』と時を同じくして掲載されていますが、この二つの漫画をこよなく愛す人は、年齢にかかわらず多いと思います。

2014年にテレビ放送が開始されて以降、様々な角度から研究されている良作です。

クーデターを起こす騎士団

アニメ『七つの大罪』は、アーサー王の伝説をもとに描かれているもので、七人の大罪人がブリタニアという地域で騎士団を立ち上げ生き残りをかけた戦いに挑む物語です。

この話、大罪を犯し指名手配されている「七つの大罪」という騎士団が悪役なのかと思いつつ観てみると、実は王国の側の聖騎士団に問題があり、王女エリザベスの元で、王国を救うために結成されたのが「七つの大罪」であることが次第に明らかになってきます。七つの大罪の冤罪と、魔神族復活を目論む聖騎士長ヘンドリクセンの本心が明らかになるなど魔王や魔神の躍動する姿が絶妙にかっこいい作品です。

物語の前提となる「七つの大罪」とは?

ブリタニアとは昔々のイギリスです。そしてキリスト教のカトリックの教えによると「七つの大罪」とは「傲慢」「憤慨」「嫉妬」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」だと考えられています。

この壮大なテーマを日本のアニメーションが表現すると、どんなことになるだろう、と心が踊ります。

世界的危機を防ぐ欧州の煩悩達

さらに「十戒編」では魔神の復活により脅かされるブリタニアの平和を「七つの大罪」が守護します。

イスラエル・エジプト・イギリスと多国籍な神格的要素を織り交ぜて描かれる世界観はアニメーションの描写の豊かさと絶妙にマッチしていて楽しいです。

メディアミックス作品

この作品はメディアミックス作品といってあらゆる手法で世界観を作品化するものです。前記したように神話で7つの罪悪とされた一つ一つの要素についてそれぞれに魔王が存在します。サタンやルシファーといった聞き覚えのある名がそれです。

また、逆に七つの美徳とされる者も存在します。ミカエルやラファエル、ガブリエルといった名を持つ天使達がそうです。(もっとも、非常に手の届きにくい形で作品化された物ですが)第一の罪人ルシファーには元は天使だった経歴があり、堕落した存在として今作の光と闇を繋ぐ重要な役割を果たしています。こうした数奇な存在をメディアミックス化して神話の世界との架け橋になっていることは、学問の入り口としては十分な役割を果たしていると思います。

これからまだまだ見せ場が待っているのだろうこの作品に一度触れてみるのは如何でしょう。

 

文章:Shinichiro.S

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