出典:©未幡・一迅社/私の百合は製作委員会です!
お嬢様学校リーベ女学園は、雑居ビルの2階にある。
そこは従業員が、学園生徒を煌びやかに演じながら、給仕をするカフェである。
ゲストが紅茶やケーキを口にしながら、彼女たちのやりとりを楽しむのだ。
白木 陽芽(しらき ひめ)は、リーベ女学園店長と路上でぶつかって怪我させたことで、お店を手伝うハメに。
先輩たちの華麗な身のこなしを見て、一旦は憧れを抱くものの・・・
控室では誰もが態度がガラッと変わる。
その様子を紹介したい。
「誰がお姉さまだよ!?」
実は矢野 美月(やの みつき)と陽芽は、小学生の時に喧嘩して不仲になったまま、引っ越しで離ればなれになった級友である。
美月のほうは、見た目が当時と変わっていない陽芽に最初から気づいていた。
それに対し、美月は身長も体型も面影がない。
年長者と勘違いしている陽芽の様子はまさに「あんた、老けたね」と言っているようなもの。
後輩の指導と称して、いちいち辛く当たる原因になっているのは、陽芽はなかなか気づかない。
「陽芽ちゃんは病気なんです」
普段は黙々と給仕する間宮 果乃子(まみや かのこ)。
だが、わだかまりが解け、急接近する美月と陽芽ちゃんに対して、異常な反応を見せる。
それは持ち込み厳禁とされている恋愛感情ではないか?と指摘する知花 純加(ちばな すみか)先輩に対して、
「陽芽ちゃんは人から好かれることばかり求めていて、人を好きにならない。
そんな陽芽ちゃんをみんなが好きでいるから、そこに甘んじているだけ」
と、果乃子は言う。
人によってコロコロ言うことが変わる八方美人な陽芽に、美月は嫌気がさして突き放した。対して果乃子は、それを病気と受け止め、あくまで陽芽にこだわる。
そんな果乃子のほうこそ病んでいる?
「カフェの趣旨が違ってくるから」
控室で行われている経営戦略。
仕事やプライベートの問題をネット上に晒し、ゲストの反応を見ながら、サロン内で解決することもある。
戦略を練っている間、美月の様子はというと、その豊満な胸を机に置いて、くつろいでいる。
誰もがその胸に注目しそうなものだが・・・
サロンではその胸を強調するようなことは禁止。
もったいない話である。
外面の良さで金持ち男を引っかけて玉の輿のつもりが、今のところ男の気配は全くなく、寄ってくるのは女子ばかりなのは、誤算か計算か?
「外面」という名の仮面に振り回されているのは陽芽のほうである。
文章:ヒトツメロバ