出典:©餅月望・TOブックス/ティアムーン帝国物語製作委員会2023
どんなに善政を布こうとも、日記の最後はギロチン刑。
悪政の果てに革命を起こされ、ギロチンに掛けられた皇女ミーア・ルーナ・ティアムーン。
我に返ると、12歳に戻っていた。
「よかったー、夢かー?」と思いきや、断頭台に持って上がった日記が、血染めになってベッドの上に。
そこにはギロチン刑に至るまでの顛末が記されていた。
「死にたくない!」
日記で未来の出来事をカンニングしながら、8年後のギロチン刑回避を目指す。
しかし、いくら善政を布こうとも、日記上からギロチンが消えてくれないのだ。
王族の贅沢三昧生活が財政難を呼び、不平民が起こす革命勃発を避けろ
ミーアは倹約の必要を訴え、同じ考えの若き文官ルードヴィッヒを重用する。
すると、日記の文面に変化が・・・
ギロチン回避かと思いきや、別の案件で革命発生し、刑に処されると記されていた。
飢饉、疫病による革命勃発を避けろ
商人と交渉し、小麦粉などの食糧輸入を強化する。
食料を行き渡らせ、疫病発生源となる地域に病院を建設する。
教会への寄付を増やし、貧困層の保護施設にする。
領土拡大のあおりで、住処を奪われた少数民族挙兵からの革命勃発を避けろ
領土内にプリンセスタウンを置く計画を立て、そちらの建設に心骨を注がせる。
革命勃発に備え、味方を作る
高い軍事力を誇るお隣のレムノ王国の第2王子アベルに弁当を作ったり、兄の第1王子の責から庇ったり、同じ馬術部に入部したり、剣術大会で懸命に応援したりして懐柔する。
僻地での長期駐屯で、不満の高まっている部隊を撤退させ、親衛隊に組み込む。
ティアムーン帝国の充実が他国に影響
ミーアの善政で、急激に国力が高まってきたティアムーン帝国を警戒して、お隣のレムノ王国は、さらに軍事力を高めようと、税率の引き上げと徴兵を進める。
これに民衆が反発し、革命勃発の気配。
これがアベル王子の身の危険と同時に、周辺国へ飛び火し、大国サンクランド王国が兵を送り込む動きも出てきた。
騒乱拡大を防ぐためミーアがレムノ王国に潜入し、アベル王子を助けたところで、内政干渉だと騒ぎ立てられ、ティアムーン帝国とミーアに矛先が向く未来の他に、そこには過労死まで見えてきた。
政治とは、常に動くもの。まさに生き物で、これでよしというものはない。
どんなにいい政治を行っても、いつしかギロチン台が日記から飛び出し、実体化して、強引に腕を引っ張って連れ去ろうとするのであれば、
「太く短く生きるのもまた人生」
と開き直るのもいいかと。
投げ出す道もあるぞ、とミーアに言いたい。
文章:ヒトツメロバ