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『ゴールデンカムイ』第二話「のっぺら坊」【感想】

出典:©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

アイヌと小樽とはあまり聞かないマッチングでしたが、日本の本土の民族が北海道を植民地にするまでは小樽や札幌もアイヌの人達にとって重要な交易の場であったようです。

原作者の野田サトル氏は北海道出身ということもあってアイヌ文化への敬意と好奇心が旺盛だったようです。因みに杉元左一の名前は日露戦争に参加した曽祖父の名前から取ったそうです。

のっぺら坊の狙い

前回は主人公の杉元佐一とアイヌの少女アリシパがどういった経緯で共通の目的を持って刺青人皮(いれずみにんぴ)を追うことになったのかといお話でした。今回は、「のっぺらぼう」と呼ばれる諸悪の根元のような人物が仕掛けた刺青人皮作戦は、皮を剥がさないと暗号として読み取れないという「いわば人を道具としか思っていない」非道な暗号だということがわかります。

アリシパさんの仕掛けた罠でまた刺青の囚人を一人確保した杉元でしたが、陸軍最強といわれる第7師団の軍人に刺青の男を射殺されてしまいます。その後アリシパさんの罠にはもう一人白石という名の刺青の囚人がかかりますが、彼は脱獄王と呼ばれた男。体内に剃刀を隠していたり、関節を外して窓格子から外に出たりする男です。杉元との壮絶な鬼ごっこの始まりです。

騒乱ロス

物語も第2話になり、刺青人皮を探している勢力の具体性、いわば杉元達の敵対勢力の顔が見え始めて来ました。そしてのっぺらぼうは囚人たちに小樽へ行けという言葉を残したことも判明します。さらにさらに、刺青の囚人たちを刑務所から外の世界に導いたのが新撰組の副長・鬼の土方歳三であることも判明します。

世界大戦に一区切りがつき今度はアイヌの金塊をめぐる内戦が勃発しようとしています。アリシパさんと杉元はあまりにもちっぽけな存在だけど、未開の地におけるサバイバル力は二人共異常なまでの賢明さをもっています。

命がけの戦いが続きヒヤヒヤの連続ですが「頼りがいのあるヒーローイズム」の新境地を表現し続けるこの物語には感服させられます。

まとめ

2話あたりから杉本とアリシパさんの関係が解(くだけ)けて来ます。そして曲者・白石の登場です。この3人のパーティー構成はRPGゲームでいうところの最強のマッチングだと思うのですが、白石は姿を晦(くら)ましては直ぐにアリシパさんに見つかり利用されまた消えては現れる、を繰り返します。

白石も全身に暗号となる刺青を施されていますが、根が優しくて、人当たりが良い人間です。それでいて悪事を働くことで生計を成り立たせようとする、なんともキャラ立ちする青年です。物語の真相は3話へと続いていきます。

 

文章:S.Shinichiro

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