アニメに躍動感を求めるときに多く用いられる手法がキャラクターの突然変異です。それは大概の場合、魔界か霊界か自身のDNAの変異によるものとされています。
まずパッと思いつくのはゴジラとかスパイダーマンとかタートルズ、あるいは東京喰種の金木研などです。あと、ブリーチの黒崎一護も!!
突然変異型の魅力
突然変異型の魅力とは、つまりステータスのアップを可視化するというものです。では、逆に姿が変わらなくともステータスのアップが如実に表現されている作品とは?一番に思いつくのがソードアートオンラインのキリトです。
彼はあくまでも仮想空間型ゲームの中でのキャラクターとして、隔離された擬似世界のTOPクラスの剣技を習得します。形が変わらなくてもステータスが向上しているのは、今や斬新ともいえる魅力を放っています。形として表現するか否かは『目的が生き延びることにあるのかどうか』に依存するのかもしれません。
スパイダーマンもタートルズも割と悲観的であり、『自分たちの命よりも使命感』を優先する系です。対して例えばグレイプニルのように自分でも気づかないうちに能力が覚醒し、バケモノの姿に変身する作品も、ソードアートオンラインのように、大きな反響を得ています。
これは、バケモノになってしまった自分に対して葛藤し、やはり悲観的ではありますが『二人で一つ』というテーマで『生き延びる目標』を得ようとする作品です。
こうして見てみると、作品の性質としてはっきり区別できないことがわかります。
本当の自分とは?
金木研の生きる目的とは何なのでしょう。それはおそらく愛だと思います、トーカとの禊(みそぎ)、そしてファーストシリーズでは友人のヒデへの想いに表現されていました。
自身が生きる意味を失っていた時、ヤモリの手により拷問を受け白髪の喰種に成り果てた時、そして、最強の喰種へと変貌していく姿はアニメの醍醐味をとことん食い散らかして一つの壮大なドラマを生んでいるように見えます。
まとめ
今回突然変異の特集を執筆して見ましたが、日本アニメに限らずアニメ文化にはキャラクターの変異が欠かせません。鬼滅の刃もそうです。正にそうです。突然変異キャラクターという形で、視聴者が自分の心に手を当てた時に、最高のアドバイザーになってくれるのが二時元作品であることは幸せなことだと思います。
これからも本来の姿で生きる幸福と自らの成長に伴う感情の揺さぶりをドラマ化して問いを投げかけてくれる変異モノ作品と出会えるように切に願いたいと思います。
文章:S.Shinichiro