出典:©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
狩猟民族
アシリパさんは何でも食べてしまう少女です。リスの脳味噌も食べてしまいます。熊のホルモンも、、。今回はそんなグルメなアシリパさんが第七師団に命を狙われるシーンが見どころです。
因みにアシリパさんはアイヌの狩猟民族であり、通例ではアイヌの少女は年頃になると、民族の伝承を預かり嫁入りの準備をするものですが、母が出産直後に亡くなっていること。そして、幼い頃から日本語が堪能な父親に付かず離れずで山で暮らす手段を教え込まれていたことから、狩猟とキャンプのその日暮をする、自由なアイヌの少女になったのです。
のっぺらぼうの狙い
刺青人皮(いれずみにんぴ)を体に刻んだ白石という脱獄王を逃してから、二人は、先日、半殺しにした第七師団の刺客の仲間から追われることになります。さすが第七師団、すごい生命力で北海道の大地をひた走ります。そして第7師団はスキーを履いてアシリパさん達を追い詰めます。
追い込まれたアシリパさんを助けたのは白い狼、それも巨大なエゾ狼の生き残りでした。そして杉元もまた、逃げ場を失っていました。杉元はアシリパさんに聞いた話を思い出します。「ヒグマは巣穴に入ってきた人間を襲わない」
帰郷
蝦夷の地に役者が揃ってきました。新撰組や第七師団、日露戦争の亡霊など日本が誇る強力な戦士達が相乱れます。そんな中ようやくですが、第3話になってアシリパさんの故郷カムイコタンに到着します。
ほんの短いサバイバル生活の中で何度となく命の危機を迎えた二人でしたが、アシリパさんの要領の良さと、先の戦争で不死身と恐れられた杉元の圧倒的な感性で工夫を凝らし生き延びたのは感動すら覚える展開でした。
余談
この作品の魅力は初期設定での卓越したキャラ設定だと思います。この二人の雰囲気どこかで見たな、と思っていたら、『バガボンド』に出てくる宍戸梅軒だ!と思い起こしました。
サバイバル能力の度がすぎる二人ですが、殺し合いの螺旋に迷い込んだまま友情にも似た愛を育んでいきます。『ゴールデンカムイ』のこの二人も愛に恵まれることになっていくのでしょうか。今後がとても楽しみです。
文章:S.Shinichiro