出典:©新沢基栄/NAS
フジテレビにとって、その後のバラエティー番組にも続く庶民的ギャグアニメとして、先陣を斬ったのが今回紹介する『ハイスクール!奇面組』です。一時のムーブメントは各方面に多大な影響を与えました。
もともとは1980年から少年ジャンプに連載されていた漫画が原作なので、振り返ればとても古い作品ですね。
なんとも表現し難い仲良しグループってありましたよね!?
とある学校の不良グループ(?)の一つに『奇面組』というグループがありました。「大・豪・零・潔・仁」は学校の定例行事の度に問題を起こす、ヤンキーというよりは幼稚園児的だとか小学生的な反抗を繰り返していました。
ヤンチャぶりのスケールは小さいとも大きいとも表現し難いものがあり、しかし、ファミリー層(お茶の間)に笑いを届けるのには十分なはしゃぎっぷりを見せてくれます。ちょっとした恋愛要素もあり、今見ても楽しめる作品です。
闇のバイブル
本人達的には「ぐれている」のではなく学校行事の重要性を理解できずにはしゃぎ回っているだけなのです。特にカッコつけるでもなく、その瞬間瞬間を満喫する姿には子供ながらに共感していた記憶があります。テーマは奇人・変人の類らしく、喜怒哀楽の「楽」の部分に特化した80年代の学生達の闇のバイブルです。
世間からは評価されるわけもなく、社会的実力が身につくわけでもなく、それでも青春を手に入れる方法を教えてくれた記憶が思い出としてあります。
思い切った設定が魅力
因みに原作ですが『三年奇面組』では中学三年生を、『ハイスクール!奇面組』では高校生活を舞台にしています。ヒロインである唯と千絵は別々の高校に進むのですが、2つの学校が合併して再び同級生になるという演出も感動するポイントです。
原作者が何を考えているのかわかりませんが、ほんの些細な一件を語るエピソードもあれば、仲間の一人がタイムワープして過去の運命を変えてしまうなどのS F的要素も織り込まれています。
作り手のわがままがそのまま素直に描かれている分、当時子供の筆者には疑う余地のないコメディー作品でした。子供の頃にこの様な作品に出会えたことが良かったと今では思います。
文章:Shinichiro.S