出典:©ソウマトウ/集英社・シャドーハウス製作委員会
村はずれにそびえ立つ屋敷に住まうシャドー家には秘密があった。
その正体はススの妖精。
領主である貴族のシャドー家を乗っ取り、成り済ましているのだ。
シャドー家で働けることは名誉なことだと村から子供を提供させ、その子供の記憶を奪った上で「生き人形」と吹き込む。
シャドーの子供たちは、「生き人形」をそばで仕えさせることでその人格を模倣し、やがては体を乗っ取る。
それがシャドーの「成人」である。
シャドーと「生き人形」との相性を見る「お披露目」の試験官を務めるエドワードの本当の狙いとは?
エドワードは館の「二階の住人」である
おじいさまの取り巻きである「三階の住人」連中を「クズども」と呼び、おじいさまから引き離すことを画策している。
それにはまず地位を上げ、自分も「三階の住人」に昇格する必要がある。
そのために「お披露目」の試験官の仕事を立派にやり遂げることを目指していると思われる。
エドワードは可能性を残してやる
シャドーと生き人形との相性を見る試験、それが「お披露目」
生き人形は、迷路の中で自分のシャドーを捜し出し、時間内に門まで戻って来なければならない。
ようやく見つけ出したものの、タイムリミットが迫って半ば諦めかけていたケイトとエミリコ。
彼女たちはそばを流れる用水路の存在に気付く。
エドワードほどの知恵者であれば、用水路を川下りして門まで辿り着く方法など気づいているのが当然だと思われる。
彼女たちがそれに気づくかを試験したと思われる。
エドワードはルール破りも厭わない
「成人」を拒否し、エミリコたちが逃げ出した。
エドワードは危険を顧みず、自らススガラスに飛び乗り、ルールを破って「こどもたちの棟」まで追ってきた。
この行動は、取り巻き連中やおじい様の反応を見るためと思われる。
取り巻き連中が排除すべき存在か、おじい様が救うべき存在かを改めて「試験」したのだ。
エドワードの「追放処分」を主張する取り巻きに対して、おじい様の「厳重注意処分」という寛大なお裁きを得て、改めておじい様が救うべき存在であると確認。
おじい様はエドワードの「試験」に合格したのだ。
エドワードはやがて本性を現し、エミリコたちと共におじい様奪還の反乱を起こす日が来るかもしれない。
また、そうならないかもしれない。
文章:ヒトツメロバ