皆さんは釘宮理恵を知っているだろうか。『銀魂』の神楽役といえばピンと来る人は多いでしょう。今回はそんな彼女の代表作を追いながら、どれほどこの声優さんが日本のアニメ業界に貢献してきたのか、を振り返ってみましょう。
テレビで1週間に五度は出会う多忙な声優
『銀魂』に出演したかと思うとNHKの教養番組のナレーターをしており、週末には『鋼の錬金術師』のアルフォンス・エルリック役で出演し、『バスカッシュ!』や『フェアリーテイル 』『イナヅマイレブン』でも発見したり、あらゆるところに顔を出していた恐らく2000年代で最も働いた声優さんでしょう。
その声の特徴はとにかく圧倒的なハイトーンで捲し立てるのですがアルフォンスのような男の子役の時には冷静で透き通ったミドルレンジの声で厳かに演じることもあります。
2019年の釘宮理恵の出演作
GRANBLUE FANTASY The Animation season2(ビィ)
食戟のソーマ 神ノ皿(茜ヶ久保もも)
さらざんまい(春河)
フルーツバスケット(草摩楽羅)
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(島津澪)
筆者の好きな作品ばかりです。個人的には食戟のソーマ 神ノ皿(茜ヶ久保もも)が一番釘宮さんのイメージに近くて魅力的だったと思います。フルーツバスケット(草摩楽羅)も不器用で純朴なイメージが素敵でした。
筆者が思う釘宮理恵の役に合っている声 TOP3
1位 銀魂(2006年 – 2018年)神楽
2位 東京喰種トーキョーグール(2014年 – 2018年)鈴屋什造
3位 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009年 – 2010年)アルフォンス・エルリック
やはり『銀魂』の神楽のインパクトは圧倒的に強いと思います。今更ですが後から声優さんが釘宮理恵さんだと判明する役柄が多いように思います。トーキョーグールのすずやじゅうぞう役もその一つで、演技に惹かれて声優さんを認知するケースが多いのではないかと思います。日本には大塚 明夫(おおつか あきお)さんや山寺宏一(やまでらこういち)さんのようなモンスター級のカメレオン声優がいますが、彼らを持ってしても尚、釘宮理恵(くぎみやりえ)さんの演技力には及ばないのではないかと思っているほど、筆者はこの女性に魅せられています。想像した声がどのようなフィルターもすり抜けて素直に、想像した通りに発声される、といった印象です。もっとも、想像力の段階で既にずば抜けた才能を持っているのでしょう。
ネットでは「ツンデレキャラの神」とも呼ばれていますが、筆者としては『フェアリーテイル 』を見てしまった後ではそのような偏見も勝ち目がないな、と思います。釘宮さんはあらゆる層(ニーズ)にも応える用意ができており、自身がそれについて積極的に楽しんでしまっているのではないかと思います。そして、それが叶うのは生まれ持った天賦の才があるからなのだと予想します。一般的に声優の寿命は俳優よりも長いと言われています。まだまだいろんな一面を見たい声優さんであり、筆者と同級生でもあります。いつまでも温かい目で、敬愛の視線を贈りたいと思います。
文章:Shinichiro.S