出典:(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project
2012年に発表されたこの作品は、2020年にようやく第3期に突入することが決まった、短編ロングラン・アニメーションです。基本的には同名のライトノベルの支持層から流れ着くことが多いようです。繊細な描写で観る人を飽きさせない、アニメとしてのクオリティーも高い作品です。
ライトノベルの方は、2009年の4月に発表されて以来、その世界観が評価され2020年時点で23巻まで続いています。筆者は『ガンダム』然り『空の青さを知る人よ』然り小説を読んでからアニメを見る人なので、本作『ソードアート・オンライン』のライトノベルから読み取れる、独特な世界観と絶妙なストーリー展開に共感していますし、これからの展開も楽しみにしています。
デスゲーム
時代設定は西暦2022年(2年後ですね!!)。V R M M O R P Gという仮想空間で行われるR P Gゲームを舞台にした物語です。とあるタワーの100階に鎮座するラスボスを倒せなければ生きては帰れないということが判明します。もちろん強制ログアウトも不可能です。
ここでいう「生きては帰れない」とは現実社会での命のことです。主人公のキリトは毎日のようにモンスターと戦い生き残りをかけた壮絶なダンジョンゲームの世界をひた走ります。
圧倒的な緊迫感
一つの決定的な空間で仲間と出会うストーリーとしては、作品の設定自体が独自のラインを選んでいるな、と感じました。例えばファイナルファンタジーのような混沌が支配した世界でヒーローイズムを掲げて、桃太郎的に仲間が集結するわけでもなく、例えば、現実世界のように自分の生活範囲の中で仲間との関係が一つのコミュニティーになるわけでもありません。
『ソードアート・オンライン』では、最初、彼らを繋ぐものは「同盟」でした。途方もない目的のために命綱となる仲間を選ぶ権利があったのです。それから、2024年にはこのダンジョンが何とかクリアされるわけですが、『劇場版ソードアートオンライン』では、2026年、約4年も先の出来事が描かれるなど、気の遠くなるような壮大なストーリーが表現されています。
魅力的な声優陣
主演のキリトを演じているのは松岡禎丞さん。『新世紀エヴァンゲリオン』や『THE IDOLM@STER 2』にも参加していますが、今作『ソードアート・オンライン』が出世作となりました。対して助演のアスナを演じた戸松遥さんは『ハピネスチャージプリキュア!』や『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』などで活躍した、今、指折り数えられるほど人気の高い声優さんです。
アニメ本編の中で、支え合う二人の心情を目一杯引き出しているのが伝わってきます。
まとめ
戦い続けなければ、深い眠りしか待っていない緊迫感があるにも関わらず、どこか淡々とタスクをこなすような印象が垣間見えるのは、キリトとアスナの存在感が安定しているせいなのでしょう。
ストーリー全体を通して、どこか懐かしいような感覚が残るのは、原作者の川原礫(かわはられき)さんが頭ではなく、ココロで紡いだストーリーの性質が要因でしょう。
ライトノベルが2000万部を軽く超えた人気作品です。読んで損などあるわけがありません。ストーリー性がしっかりしている作品なので、原作も是非チェックしてみてください。
文章:Shinichiro.S