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『ゴールデンカムイ』第10話「道連れ」【感想】

出典:©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

アイヌ民族の歴史を掘り下げて、明治時代の日本の陰謀と狂気を見事にまで描いた作品が、この『ゴールデンカムイ』です。

大量の金塊が、アイヌの血と代償に隠されているというのは勿論フィクションですが、一つの目的の為に、戦争帰りの伝説の戦闘員とアイヌの狩猟文化を代表する少女の巻き起こす怒涛の展開に目を見張ります。

キロランケ登場・アシリパの父との関係は?

今回の放送で軸になるのが『鶴見中尉』です。これから主人公の無敵の杉元とアイヌの子アシリパを散々苦しめる相手ですが、今回鶴見中尉はほぼ登場しません。

鶴見中尉は、先の戦争で日本軍の第7師団を統括していた人間であり、戦争が終わっても尚、第七師団は強い影響力を持ち造反組と言われる、師団を離れた人間をとことん追い詰める風習がありました。

そこで追うものとなったのが緒方と二階堂です。追われるものは谷垣です。谷垣は、先日までアシリパの村(コタン)でアイヌ民族のお世話になった男です。

両者の戦いは、北海道の大地を存分に利用した攻防戦へと発展します。ちなみに、この壮絶な戦いの後、アイヌの英雄キロランケという人物が初登場します。

端正なルックスに危なかしい佇(たたず)まいで、広い層から人気を得たキーマンになる男です。

北の大地ならではの攻防戦に注目!!

今話での収穫は、谷垣の策略もそうですが、なんといっても、キロランケと伝説の巨大魚イトウの登場でしょう。脱獄王の白石はイトウに丸呑みにされる寸前でした。

例えば、南米アマゾンにも多くの危険生物と、それを捕獲するハンターがいますが、北の大地でもそれが常識だった時代があったのです。

鹿・熊・イトウとほんの1話の間に北海道の自然の魅力が詰まっています。

まとめ

谷垣はホントに男前。最初は敵だったけどアイヌコタンの優しさもあって、北の大地で研ぎ澄まされた神経が少しほぐれた感じです。

今話ばかりは、杉元の狂気は身を潜めています。そして、今まで最強のハンターだと思われていたアシリパの上を行くキロランケという人物が姿を現し、更にキロランケにはアシリパの父親との謎の繋がりがありました。

一気に舵を切る物語の行方は、網走監獄へと繋がっていきます。果たして、それぞれの夢の行方はどんな形で叶うのか。

圧倒的な描画力でお送りする『ゴールデンカムイ』第11話のコラムもお楽しみに。

 

文章:S.Shinichiro

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