出典:©SUNRISE/PROJECT GEASS Character Design ©2006 CLAMP・ST
この作品の主人公はルルーシュという男子学生です。舞台は日本の近未来。帝国の植民地政策により、日本は、『日本』ではなく『エリア11』と呼ばれています。
世界観が風変わりでストーリー設定の断片を見るにつけ、ことごとく既成概念を打ち破る作品になっています。良い意味での新鮮さをテーマに掲げたのであろうこの作品は、「ガンダムのお下がり的なアニメだろう」とタカを括(くく)って視聴するとトコトン気持ちよく裏切られます。
帝国を憎むルルーシュの存在意義とは?
主人公のルルーシュは、母親の仇(かたき)である神聖ブリタニア帝国を滅亡に追いやろうと、まだ学生の時分でも野望をもちます。彼の親友・枢木スザクは神聖ブリタニア帝国の軍人であり、「正義のために神聖ブリタニア帝国を中から変えたい」と野心を抱いています。
この二人の運命がどう交錯するのか、最後の最後まで視聴者は裏切られ尽くします。
魅力的なヒロイン
ルルーシュは「絶対遵守(ぜったいじゅんしゅ)」という力(ギアス)を手に入れます。他人が自分の思い通りの行動をする力です。ストーリーの裏切り感もさながら設定がダイナミックだなと思います。その能力を与えたのが、C.C.(シーツー)という本作のヒロインです。
C.C.自身も、他人の過去をフラッシュバックさせる能力を持っています。彼女のカリスマ性はおどろおどろしいものがあります。ですが、ルルーシュもまたカリスマ性の優れている人物です。
悪の結束
C.C.のような力を持つことは、現実的には、リスクであることは間違い無いと思いますが、それゆえの孤独、自己否定の要素が、彼女が映るシーンを見るたびに感傷的に受け止められるのが、これまた新鮮です。そして二人は契約を結びます。C.C.がルルーシュに対してギアスを与えるのに対して、ルルーシュは、C.C.(の不死身の命)を終わらせてほしいという願いを託されます。
ルルーシュはナナリーという妹に対して異常なシスコンぶりを発揮します。こうして、見ていると結局は人間愛の深淵をわかりやすく語っている物語なのだなぁと思いました。
まとめ
多少ネタバレ気味で書きますが、結末を知っていても興味の尽きない作品なので、ある程度のことは紹介したいと思います。まず、C.C.が望んだ「不死身のさだめをルルーシュの手によって終わらせてほしい」という願いは果たされることがありませんでした。
そして、『反逆のルルーシュ』は第二作『復活のルルーシュ』へと続きます。ある意味第一作をまだ観ていない人も安心して観ていられる状況ですね。主人公は滅びません。
この作品は若年層から人気があり、BGMも『ルパン三世』を思わせるジャジーな曲からいかにもPOPな曲まで、上手く展開されていて、「一つの作品に色々な味わいのある作品」に仕上がっています。
今回のコラムを踏まえて、Youtubeなどで、作品紹介の動画を見れば必ず興味を抱くはずだと思います。是非一度チェックして観てください。
文章:Shinichiro.S