出典:© 進行諸島・SBクリエイティブ/転生賢者の製作委員会
佐野 ユージ(さの ユージ)は、休日でも自宅に仕事を持ち帰り、パソコンモニターに向かう社畜の鏡である。
そんなユージがある日、異世界へ召喚されてしまう。
「異世界へ左遷?何でおれが?」
異世界で与えられた職業は、魔物や動物を飼育し、使役するテイマー。
だが、仕事熱心な性分から魔導書を手あたり次第読み漁った結果、膨大なスキル使いにもなっていた。
そして、知らぬ間に就いていた第二の職業それは、賢者!
賢者であることは身の安全上、隠すことにしたユージだが・・・バレバレなのだ。
賢者だけでなく、ユージは別の顔も隠している。
食通か!?
美味しいものが食べられる街があると聞けば「行ってみよう!」
「寒波のため薪は暖を取るために使われて、料理に使う分がないだと!」
だったら作ればいいじゃない。
「何、ある食材があればもっと美味くなるだと!?」
だったら、獲ってくればいいじゃない。
とにかく食べることに関しては労を惜しまない。
腹黒か?!
テイムしたスライムは1匹のはずだったのに、それがどんどん仲間を集め、知らないうちに集団となっていた。
それらスライムにスキルを転送発動することで、とんでもない火力使いにはなれたユージだったが、困ったことがある。
餌だ。
いや、モンスターに食べさせているのは、本とか薪とか・・・
目的地に着いたら吐き出させる、ただの異次元ポケットとして運用しているだけなのだ。
こんな調子では、いつかはモンスターたちの不満が溜まって、叛乱を起こされてしまわないだろうか?
戦闘狂か!?
伝説の賢者が蘇った。
救済と称して世界を滅ぼそうとする彼に立ち向かうユージ。
なぜ戦うのか?
腹が減っては戦はできぬ。
だが、腹が減ってなければ、ご飯を美味しく食べれないじゃない。
物を美味しく食べるため、腹を空かせるため、彼は戦う!
明日の飯をかけて、メシアス村へ。
その名を聞いただけで、自然と足が向く。
異世界を渡り歩く目的、それは食うこと!
とにかくユージは、自分さえ美味しく食べればいい。
そう、彼は、意地汚さに特化したグルメでもあるのだ!
文章:ヒトツメロバ