出典:©野田 宏・若松卓宏・小学館/「異世界失格」製作委員会
♦自殺はいけない。心中ならよし。
♪ん~んんんん~、ん~んんんん~♪
文豪であるセンセーが、心中を図るのは5度目である。
これまで相手だけが死に、自分だけが生き残ってきた。だが、今度こそは・・・
濁流に身を投げようとしたその瞬間、トラックが突っ込んできた!
そのトラックは実は、現世に見切りをつけた者を、勇者として異世界に導くもの。
異世界に誘われたセンセーは、どこかにいるはずの心中相手・さっちゃんを求めて、冒険の旅に出る。今度こそ本懐を遂げるために。
なぜ、いつも死ねないのか?
守る人がいるから
か弱き容姿と目を話せば死にそうな雰囲気は、人を惹き付ける。守ってあげたくなるのだ。特に女性は母性本能がくすぐられるのだろうか?
いつの間にやら、冒険仲間が増える。それらは我儘も聴いてくれる。
彼女たちもやがてはセンセーとの心中へ、センセーだけ生き残る失敗心中へ引き込まれるのだろうか?
移動の際にセンセーが入っている棺桶も、いつかはセンセー以外の誰かが入ることに?
知らないうちに耐性がついていたから

出典:©野田 宏・若松卓宏・小学館/「異世界失格」製作委員会
普段からまるで、栄養補給のおやつのように睡眠剤を口にしているセンセーの体は、すっかり毒耐性が付いてしまい、毒では死ねない体に。
そんなセンセーの体に喰いつこうものなら、その体に蓄積された猛毒で、激しい食中毒を引き起こす。
勝手にHPが上がるから
「殺すぞ!」と脅そうとも、
「望むところだ!」とセンセーは向かってくる。
普段はHP1だが・・・そういう能力なのだろうか?いざ死地に臨むと、水を得たかのようにHPが爆上がりする。
これが心中失敗する原因でもある?
無敵かよ!?
傑作が書ける予感がするから
それぞれ悩みを抱えて異世界に連れて来られた勇者たち。
そんな彼らから傑作の匂いがすると、センセーは筆を執る。
「君の物語を聞かせてくれ給え」
それが傑作とは呼べないものであると、
「君は異世界失格だ」と強制的に元の世界に送り還されてしまう。
センセーが召喚された本当の理由は・・・
実は魔王は、すでに先人の勇者たちによって討伐されている。
そんな異世界が現在抱える問題とは・・・
魔王に代わって異世界支配を目指す者、それに抗う者、好き勝手やりだした者など、生き場を失った勇者たちの処遇だ。
そんな彼らを異世界から排除できる者を求めていたのだ。
太宰治の名言「自殺する作家は傑作の犠牲者である」
彼らもまた「心中したがる作家の言うところの傑作の犠牲者」となるのか?
文章:ヒトツメロバ