アニメコラム

実写版のスピンオフ作品『ピンクパンサー』今尚新鮮と思えるキャラクターデザインに注目(1994年)

『ピンクパンサー』シリーズで最も有名なのは、実写版でしょう。1960年代の映画製作技術としては飛び抜けた技術力で実写の中にピンクの豹のアニメーションが克明に描かれていました。そして、アニメ映画『ピンクパンサー』は、第37回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞しました。

人間の欲とピンクパンサー

天然キャラのクルーゾー警部にいたずらしたり翻弄するのがピンクパンサーの役回りです。世界中の泥棒が憧れを抱く奇跡の宝石「ピンクパンサー」をめぐりクルーゾーとピンクパンサーがドタバタ劇を演じる1話完結の物語です。宝石のピンクパンサーと2足歩行の豹ピンクパンサーとの関係は謎ですが、宝石の芸術品としての価値を躍動感をもって描いているところを見ると物語の趣旨が、「貴重な財産と人間の欲」を鮮烈に描こうとしていることがわかります。

ピンクパンサーとクルーゾー警部

都会の豹ピンクパンサーはジャック・クルーゾー警部と共に悪徳ハンターから光る宝石『ピンクパンサー』を守り戦います。

ちなみに現実の世界でも「ピンクパンサー」という窃盗団がおり、主にセルビアやユーゴスラビアで200人程のメンバーが存在しています。そして、10年間で128億円超を稼ぎ出した実績を持っています。

衰えぬ「物語のニーズ」

ピンクパンサーといえばやはり実写版ですが、全編アニメーションの今作は、実写でファンになった年齢層も含め大きな人気を呼びました。実は当初の設定では、8歳から13歳までの子供をターゲットにしていたのですが、60年代に青春を迎えていた層のニーズが強かったため、予想以上の反響を得ました。今の新成人層については安室奈美恵さんの「WoWa」のMVにもピンクパンサーが登場しており馴染み深いと思います。

 

文章:Shinichiro.S

 

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