出典:© 施川ユウキ/一迅社・ド嬢図書委員会
小説を知らなくても大丈夫!
主人公の『町田さわ子』は図書室にたむろし、本を読了していないのに本の内容やうんちくを語り作者の言葉を引用して読書家ぶりたいと思い、作家『バーナード・ショー』をもじった『バーナード嬢』を自称するアホな子です。
そんないい加減な町田さわ子に、過激なツッコミを入れるSF小説オタク『神林しおり』が本を通して、いちゃいちゃする百合萌えアニメです。
アニメに出てくる本は洋書や、SF小説が多いのですが、小説のことを知らなくても所々で、本の解説字幕が出ますから安心して観られます。
この作品で、読書初心者向けの本は『シャーロック・ホームズ』シリーズぐらいですが、読んで無くても大丈夫です。
個性豊かなキャラ
・神林しおり
メンドクサイSF小説オタクで本好き、読書家ぶって好き勝手なことを言う町田さわ子にイラついて結構きつめにツッコミを入れます。
神林しおりも、他人がついていけないSF小説のうんちくを興奮して能弁に語り、「SF語るなら最低千冊、無理でも普通に本屋で買える青背全部読んでから言え」とSF小説オタクが周りから引かれる事を口走ります。
(青背とは早川書房のハヤカワ文庫SFの事。昔はハヤカワ・SF・シリーズ、通称銀背を全部読めとSF小説オタクは言って実際に周りから引かれていた)
・長谷川スミカ
図書委員で、遠藤に恋心を抱いている熱狂的シャーロック・ホームズファンの『シャーロキアン』です。
シャーロック・ホームズシリーズやオマージュ・パロディ小説だけでアニメを作るのが難しいのか、登場場面が減っていきます。
(シャーロキアンとは熱狂的なシャーロック・ホームズマニアで全世界にいます。原作者コナン・ドイルにシャーロック・ホームズシリーズの続編を書けと脅迫状送った者もいました)
・遠藤
ベストセラーの本を流行りが終わってから読む変わり者で、最初はストーリーの導入の語りをしていましたが、すぐ影が薄くなります。
お気に入りシーン
町田さわ子が、読書家ぶりたい為にする不純な本への接し方に、神林しおりがキツメのツッコミをしているうちにスキンシップが深まって、いちゃいちゃして百合っぽく萌え場面がだんだん増えてきます。
何も考えていないアホの子の町田さわ子の言動がネタふりになって、それに一々深読みしてしまうオタクの神林しおりのツッコミと熱いうんちく語りのパターンが活きてきます。
神林しおりが冬空の下、かじかんだ手を町田さわ子の手に包んでもらって赤面した後に話題が本になって熱く語る場面とかのさり気ない萌えが輝きます。
まとめ
このアニメは、読書に興味がない人や出てきた本の名前や作者の事を良く知らなくても、楽しめる様に作られているショートアニメで、出てくる本は図書館に置いてある本が多く、本がなくても同じ作者の別の本が有るはずです。
早川の青背とシャーロック・ホームズシリーズは無い所本屋や図書館は無い位です。
例えばアニメに出てきた本を読むなら、『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話タイトル『「世界の中心でアイを叫んだけもの』の元ネタの『ハーラン・エリスン』の『世界の中心で愛を叫んだけもの』がおすすめです。
短編集なので1編が短いですし、エヴァンゲリオンの人気でよく見かけるようになりました。
読書のきっかけに1つに、『バーナード嬢曰く。』を見てみてはいかがでしょうか。
文章:北山南河