議長のギルバート・デュランダルがザフト軍の代表格であり、キーマンになっています。コーディネーターがザフト軍、ナチュラルが連邦軍と色分けされた世界で、オーブ軍はどちらの性質の人間も受け入れるという、立位置を見せています。
シードでもそうでしたが、(オーブの姫)カガリという少女の戦場でのエモーショナルな言動は常に視聴者にいい意味でのショックを与えてくれます。
SEEDのファンのニーズにしっかり答えているアンサー的作品
今作は『ガンダムシード』に引き続きアスランとキラがW主演のような形になっています。シードで既にキラがオーブの姫・カガリの双子の弟であることが発覚しています。
コーディネーターという特殊なDNAを持ちながら連邦軍の元で戦わなければならないジレンマは今作で解消されています。戦艦エターナルやアークエンジェルも健在です。
カガリはアスランと、エターナルを率いるラクス・クラインは戦友キラ・ヤマトと結ばれる運命にあります。コズミックイラという独立した時代の世界で『ガンダム SEED Destiny』では新たにシン・アスカというパイロットを加え壮大な宇宙戦争の末路を描きます。
MS/MAのデザインに注目
この作品にはいまだかつてないほど魅力的なモビルスーツ/モビルアーマーが登場します。タリア・グラディス率いる戦艦ミネルバにも注目です。
初期の段階では、インパルスガンダムやザクウォーリアー3体が搭載されています。一番豪快なモビルアーマーでいうと連邦軍のデストロイガンダム。美しい機体の代表格では、ザフト軍属のアスランの登場機でイージスガンダムの後継機であるセイバーガンダム。どれも迫力満点に描かれています。
平和という言葉の視野を広げてくれるストーリー
大戦の中で、アークエンジェルとエターナル、そしてオーブ軍が生き残る結果になったのは、大局的に見て平和への明るい兆しになったでしょう。
ガンダム史上稀に見る大作
とにかくガンダム史上最も強大な火器が飛び交う対戦となりました。SEED50話SEEDデスティニー50話の100話構成のこの作品はガンダムファンならずとも見応えのある作品になっています。
続編としての完璧な役割
この作品は『ガンダムSEED』の2年後の世界を描いています。「戦争はなぜ起こるのか」が作品のテーマになっているようです。
新しいキャラクターシン・アスカには、(2人の主人公たちが争い合った)戦争を見ながら成長した強く繊細な「心」があります。そして、今は自分もその戦争に参加するモビルスーツのパイロットです。
彼の視点から学ぶことは多く、平和を知らない少年と戦争の始まりを悟っていた2人の主人公の微妙な意識のギャップは注目すべき点としてあります。ガンダムのファン層を一気に増幅させたガンダム史に残る名作です。
文章:Shinichiro.S