出典:©原哲夫・武論尊 2001, ©蒼天製作委員会 2006 版権許諾証STC-702
『北斗の拳』では武論尊氏が原作を描いていましたが今作では当時武論尊氏と共同で原作を書いていた原哲夫氏が原作を務めています。
主人公の霞拳志郎(かすみけんしろう)は『北斗の拳』のケンシロウの2代前の秘伝継承者であり、そのルックスたるやあまりにもパワーアップしています。また、紫がかった髪の毛が特徴です。
今作は膨大なニーズを抱え込み2018年に24話の新たな(REGENESIS)テレビシリーズとして復活しているのも記憶に新しいです。
世界大戦の最中、格闘家は何を思う
物語は世界的な規模で進みます。劉宗武(りゅうそうぶ)という人物がキーマンであり、かつての最凶の男・ラオウをも凌ぐほどの武術に長けた人物です。
革命家のように世界に舞台を広げ、ナチス・ドイツに身を捧げる様子も描かれますが、ケンシロウとの出会いにより改心することとなります。また、ケンシロウの方は、満洲国皇帝の愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)と接触し、その身を預けることになります。
実際の歴史とリンクする場面が多いので教養を身につけるにも適したアニメだと思います。
伝説は記憶に残る
この作品はとにかく登場するキャラクターが次々に変わるなという印象があります。格闘技の流派も多くそれぞれの要素としての技の名前も豊富で何度も見返してしまう、そんな作品です。
作中「秘孔」という技が頻繁に出てきます。自らの意思に関係なく質問に答えてしまったりする類のものです。人間がその身体一つで操ることのできる範囲を完全に超越しているのが凄いし、それが既成概念にうまくハマっているところがこの作品をリアルよりもリアリティーのある作品に育てた要因だと思います。
まとめ
軍閥や秘密結社など世界大戦の闇を辿るような展開も多く見られます。この種の作品はレアですが、『修羅の刻』などにも『修羅の門』に対する時代を遡った時点での歴史的偉人との交流を描くシーンがあり、個人的には高評価できる作品でした。
サイドストーリーにおける流派のルーツを遡る展開はハズレがないようにも思えます。原作者側は情報処理に多大な時間と労力をかけるのでしょうが、辻褄があったときの決まりの良さはアニメーションの醍醐味ともいえるでしょう。これからもこのような類の作品が生まれることを期待しています。
文章:Shinichiro.S