出典:(C)1997 MADHOUSE
未だ根強い人気を持つアニメ映画
「パーフェクトブルー」は1998年に公開されたアニメ映画です。
監督は「東京ゴッドファーザーズ」や「パプリカ」等を手掛けた今 敏(こん さとし)さんです。
アニメファンの間では名作と呼ばれる作品ですが、20年以上前の作品ですので観たことがない方もいらっしゃるかと思います。
今回は簡単なあらすじと、筆者の感想をお伝えしたいと思います。
アイドルから女優へ転身、しかし…
主人公は「霧越 未麻」という女性です。
未麻は「CHAM」という三人組のアイドルグループに所属していましたが、ライブにて「今日でCHAMを卒業する」とファンに伝えます。
それからアイドルを辞めて女優となる未麻でしたが、出演するドラマの中でストリップをやることになったり、ヌード写真撮影もされたり、アイドル時代とは全く違った世界へと足を踏み入れることになります。
未麻自身も「これは本当に自分の望んだことなのだろうか」と疑問と不満を募らせていきます。
アイドルとしての自分がいる「未麻の部屋」
未麻はファンから貰った手紙に書いてあったURLを元に「未麻の部屋」というサイトに辿り着きます。
そこにはまるで本物の未麻が更新しているかのようなリアルさ、そして女優である今の自分とは違う、「アイドル」としての未麻がいました。
自分が監視されているのではないか?という恐怖、そして自分の置かれている状況への不満なども募り、彼女は次第に「アイドルだった頃の自分の幻覚」を見るようになります。
夢と現実、過去と今
これは夢の中の出来事?それとも現実?…といったような、夢と現実の境が曖昧になっていく描写がとても興味をそそられました。
未麻自身も一体何を信じればいいのか、と追い込まれており、視聴者もストーリーを追う中で未麻と同様に各キャラクターに対し疑心暗鬼になるので、未麻に感情移入がしやすく作品にのめり込むことが出来ると思います。
過去の自分と今の自分、その二人の自分が対立する…という点もこの作品の重要なポイントだと思います。
何年経っても繰り返し観たくなる作品
ダンスシーンもなめらかに動きますし、幻となって現れる未麻が跳ねるように走り去っていく姿などもまるで生きているかのようなリアルな動きなので、映像面でもクオリティが高い作品だと筆者は感じました。
物語の節々でショッキングなシーンもあり、静かなシーンとの緩急がついており最後まで飽きさせない内容となっています。
一度視聴したら忘れられないほどの衝撃のラストでしたが、映像美と濃いストーリーを楽しむために、何度でも観たくなるおすすめの作品です!
文章:のいせ