出典:© 藤子スタジオ/テレビ朝日・シンエイ
『忍者ハットリくん』は、藤子不二雄Ⓐ原作の1981年から1987年にかけてテレビ朝日系で放送されました。
現代の忍者が、現代の町に修行しに下界したという触れ込みのアニメで、当時の子供たちに忍者の存在をメジャーにしたアニメでもあります。
ハットリくんは伊賀の忍者であり、ライバルのケムマキは甲賀の忍者であるということで、伊賀と甲賀の地名を全国に広めたアニメでもあります。
また、この当時人気を誇っていたドラえもんとパーマンと合わせて『ドラ・ハッ・パー』という造語も作られるほどの人気でした。
ありえない忍法をアニメで可能にしていて面白い
ハットリくんはオープニングでもあるように、「さかさで天井をあるけりゃあ 宇宙をとんでる気分だぞ」と言って平気で壁や天井を歩きます。
手裏剣をスライスさせて飛ばしたり、水の上を水グモという道具使って歩いたりします。
また、風呂敷でムササビの術をやって空を飛んだりします。
筆者が子供の頃見たとき、ハットリくんはすごいなと違和感なしで見ていましたが、今考えれば突っ込みどころ満載です。
『忍者ハットリくん 忍法』でググると、たくさん忍法が出てきます。突っ込みどころオンパレードですが、当時の子供たちは試しにやってみては失敗するというふうに楽しんでいました。
ハットリくん独特のキャラクターが面白い
ハットリくんは自分のことを「拙者」といい、男性には「~氏(うじ)」、女性には「~殿(どの)」、語尾に「~でござる」と古風な言葉づかいをします。
また、オープニングの歌に「どんぐりまなこにへの字口 くるくるほっぺにふくめん姿」というように、独特の顔をしています。
また、常時忍者の格好、忍び装束をしていてお風呂では覆面を外さずふんどし姿、着ている服はたたんで頭の上にくくりつけるという風にいつでも逃げられる格好をしています。
覆面を取った姿は、弟のシンゾウでも見たことがないほどです。
そんなハットリくんですが、丁寧な言葉遣いをしたり、ライバルのケムマキとの戦いで頼もしいところを見せたりと、頼れる存在です。
人間の言葉をしゃべる犬など、サブキャラクターが面白い
ハットリくんの飼い犬、獅子丸は人間の言葉をしゃべるチャウチャウです。真ん丸な体でふわふわもこもこで二本足で歩いています。
また、ちくわが大好物であり、エンディング曲で「ちくわよちくわ どうしてお穴があいてるの むこうをのぞいて見るためよ 見るためよ」と歌っているほどです。
弟のシンゾウは幼い忍者の卵で、唯一の必殺技が泣き声です。その泣き声は周りのものをこわしたり、人間などを苦しめたりするほどです。走るとき、シンシンと言って走ります。
ケムマキというハットリくんのライバルは甲賀の忍者で、人前では普通の小学生で副主人公のケンイチのクラスメートですが、ハットリくん達などの前では忍者です。
まとめ
ハットリくんはシンゾウと獅子丸とケンイチと、ケムマキとの戦いの中でいろいろな忍法を使い、テレビを見る子供たちを楽しませてきました。
そうして子供たちはハットリくんから忍術を学び、登場人物の真似をしたりしました。
このようにして、忍者をメジャーな存在にしたのです。
文章:こばまき