出典:©久米田康治・講談社/かくしごと製作委員会
このアニメは2020年の春、全12話、放映されました。
原作は講談社の月刊少年マガジンに連載されている久米田康治の同名漫画です。
アニメーション製作は亜細亜堂が担当しました。
「隠しごと」は「描くしごと」
このアニメの主人公は自分の職業を隠して男手一人で娘の後藤姫(ごとうひめ)を育てている漫画家、後藤可久士(ごとうかくし)です。
このアニメの中では姫が小学4年生で可久士と生活をしているコメディタッチの10歳編と可久士がいないシリアスタッチで描かれている姫が18歳編とにわけられています。
姫が10歳のシーンでは可久士が下ネタ漫画家であることを姫に知られないように右往左往している姿が描かれています。
そこでは可久士は中目黒の平屋に住んでいて仕事に行く時、スーツを着て出て行き、途中でTシャツと半ズボン、ビーチサンダルというラフな姿に着替えて渋谷区の仕事場のマンションへと行きます。
そこで可久士は漫画を描いて4人のアシスタントと編集者などとの日常を繰り広げていく事になります。
そして姫の18歳になった時、鎌倉の家に行き可久士が姫にずっと隠していた事を知る事になります。
そこで姫が10歳から18歳になるまで可久士になにがあったのかが少しずつ語られるのでした。
この物語はギャグ漫画家の自伝!?
このアニメはもちろんフィクションですが原作は漫画家、久米田康治(くめだこうじ)の自伝的漫画の一面を持ち合わせていると思います。
なぜならこのアニメの原作者である彼は昔、自分の漫画の作者近影にフルチンで写り、このアニメの主人公の可久士も同じ事をしていたと語られている事からネタは漫画家本人ではないかと思いました。
後、彼の描いた下ネタ漫画といえば週刊少年サンデーの「行け! !南国アイスホッケー部」ではないでしょうか。
あの漫画は下ネタながらも記憶に残る漫画だったと思います。
このアニメでは「きんたましまし」「風のタイツ」というギャグ漫画を可久士が描いていると設定されていますがその原型は昔の自分の作品ではないかと自分は想像します。
そしてこの物語の登場人物の中で過去自分が描いてきた漫画のキャラクターたちが名前を変えて再登場する事や、漫画家仲間の人物が登場することから、まさに久米田ワールドと言える作品になっていると思いました。
文章:針尾