英題『The Secret Life of Pets』。日本では『ペット』としてCMなどから話題が広がったイルミネーション・フィルムの映画について紹介します。
北米での興行収入が1億ドルともいわれるこの人気作はアメリカや日本以外でも動物愛護の観点から映画館のあるほとんどの国で上映されました。心温まるドタバタコメディーになっています。
幸せな日々からの変化
人間がいない間の動物達の振る舞いは人間の想像を超えるものでした。
小型犬のマックスはマンハッタンのある家で飼い主のケイティに大事に育てられていました。しかし、ある日、ケイティが保健所から大型犬のデュークを引き取りマックスはその犬と共存することになってしまいます。デュークはマックスのことをよく思ってなく、そしてマックスの嫌な予感は的中し、ドッグランの会場の近くでデュークによってマックスはゴミ箱に入れられてしまい、結果2匹は保健所に送られてしまいます。その後色々あってたどり着いたのはブルックリンでした。路線バスをジャックして、保健所の車とカーチェイスになったりとペット犬らしからぬ大暴れを見せながらもなんとか元居たケイティの家にたどり着く2匹でした。
ペットと人その関係のリスク
完全に既成概念を超えたアクションシーンが突如として勃発する展開には驚かされます。野良猫には野良猫の、野良犬には野良犬の縄張りというものがあり、ペットが人の手を離れることの恐ろしさを痛切に描いています。
現代においては特化して愛玩用の動物として生きる命が多くあります。そのペット達が迷子になったり保健所行きになったりすることのリスクが問われていると思います。ペットに愛情を注ぐこと自体が野生の世界ではリスクなのです。そういった意味ではライオンキングやジャングル大帝とは正反対の世界が描かれています。動物のあり方として、家の外に出ても帰る場所があることの幸せが説かれていると思います。保健所経由でケイティの元に来たデュークがブルックリンの主人の家を訪ねてその主人が既に亡くなっていることを知らされる場面は、その後の展開も含め涙ものです。
ファミリーや小さな子どもにもおすすめの作品
この『ペット』という作品は『トイ・ストーリー』に似た部分がありアクションシーンが見所です。また現在ペットを飼っているというお家は多いかと思います。そのペットがもし……なんてのはとても夢があっていいですよね!
文章:Shinichiro.S